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コラム連載・コラム

イスラム・ハラル市場と日本の水産物の可能性

第3回 イスラム圏の食生活3 その他の地域

今回は東南アジア、中東以外のイスラム圏、なかでも人口の多い南アジア、北アフリカ、中央アジアでムスリムに食べられているものについてご紹介します。

まず南アジアから紹介します。世界中に広がるイスラム教徒(ムスリム)の暮らす地域の中では、第1回で紹介した最大人口2億人を持つインドネシアや第2回で紹介したイスラム発祥の地である中東地域が注目されていますが、人口が多い国トップ5のうち3カ国は実はパキスタン、バングラデシュ、インドなど南アジア地域の国々です。

英国からの独立の経緯もあり、パキスタンの人口の大半とインドの北東部からバングラデシュにかけての総称ベンガル地方の過半数はムスリムが住んでいます。
ベンガル地方は沿岸部や豊かな河川で海水・淡水魚ともに豊富に獲れます。カレーでも魚が具になったフィッシュカレーが代表的です。ナンではなく、細長く水分の少ないインディカ米と混ぜて食べます。またこの地域では豆や野菜もよく食べられ、煮込み、スープやカレーの具となっています。

つづいて、文化的なまとまりで人口が多いのが北アフリカ地域(チュニジア、モロッコ、リビアなど)です。この地域はアトラス山脈によって北側が地中海性気候の農業地域、南側がサハラ砂漠の遊牧地域となり、それぞれ食べるものも異なりますが、現在では共通の食事もあります。それが例えばトルコあたりがオリジナルの羊のケバブ(香辛料を加えた肉の串焼き)、小麦を小さな粒状にして蒸したクスクス(トマトに肉・魚・野菜などを入れたシチューをかける)、塩漬けのオリーブなどです。肉は羊や鶏が主となり、地中海では魚は塩焼きや唐揚げにして食べられています。最もよく使われる香辛料は唐辛子で、その他にもシナモンやクミンなど多くのスパイスが料理や好みによって組み合わされます。

日本のチュニジアレストランで食べたクスクス

日本のチュニジアレストランで食べたクスクス

実は、この地域からは植民地支配を受けた影響で旧宗主国とのつながりが深く、多くの人がフランスを筆頭にヨーロッパに移住しています。そして二世、三世は自分のヨーロッパ的、西洋的なピザやパンなども食べていて、彼らをターゲットにレストランやスーパーマーケットのデリカが対応を始めているという記事も呼んだ事があります。

最後に中央アジア(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスなど)ですが、この地域は内陸部なので人々は牧畜を行なって生活してきました。乳製品でたんぱく質を取り、お祝いで肉を食す文化です。有名なのはラグマンと呼ばれる焼うどんのような麺料理で、羊肉が使われることが多いです。この地域の料理にはヨーグルトのような乳製品やトマトが使われることが多い印象です。その他にもスープや串焼きなどありますが、魚食文化はあまり発達していないようです。国家としては中国ですが、ウイグルの人々が食べる食事にも共通点が多くあります。

カップヌードルミュージアムで食べたラグマン

カップヌードルミュージアムで食べたラグマン

※今回は石毛直道著、2013年、『世界の食べもの: 食の文化地理』、各種報道などを参考にしました。

ハラル・ジャパン協会  調査担当 中川 圭吾 ハラル・ジャパン協会、調査担当マネージャー。
ハラルニュース解説サイトHalal Todayの責任者として常に全世界のハラル情報を集約し、情報配信を行う。全国の企業・自治体向けのハラルセミナー・研修講師としても活動中。

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