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コラム連載・コラム

イスラム・ハラル市場と日本の水産物の可能性

第4回 イスラム圏で食べられる海産物(東南アジア)

イスラム圏であるマレーシア、インドネシアは海に囲まれており、沿岸部の人々は昔から豊かな魚介類でたんぱく質を摂取してきました。冷蔵輸送などが発達し、新鮮な魚介類を食べられる地域は広がりましたが、依然として保存性の高い干し魚や燻製も食べられています。

インドネシアではマグロ・イワシ・サワラ・アジ・サバなどの仲間がよく食べられるようです。魚は煮るよりは素揚げや焼いて食べられています。その他チリメンジャコのような小魚、エビ、イカなども日常食です。小エビはペースト状にして干し、旨味調味料の定番にもなっています。

伝統的市場の魚 伝統的市場の魚

伝統的市場の魚

インドネシアの焼き魚

インドネシアの焼き魚

スーパーマーケットの魚

スーパーマーケットの魚

ハラル認証の勉強をした方の中にはイカなど「うろこのない魚」を食べない学派のムスリムがいると学んだ方もいると思いますが、実情は学派ではきれいに割り切れていないようです。食文化として実際に食べているかどうか現場を見ていただく方が良いと思います。

このコラムで多様性を網羅するのはとても難しいので、一つ身近な例を取り上げます。

マレーシア・シンガポールでの定番の麺料理に「ラクサ(Laksa)」があります。「ラクサ」はマレーシアに移住してきた中華系の人々と現地マレー系の人々の文化が混ざったニョニャ文化の料理と言えます。ニョニャの料理は豚を使う品もありますが、ラクサはアジやエビの頭から出汁を取っているのでムスリムにも広まったようです。

日本ではシンガポールやマレーシアレストランなどで食べられると思いますが、"Prima Taste(プリマテイスト)"ブランドのインスタントラーメンでも魚の出汁が本格的で本場の感覚に近いと思います(日本でも手に入ります)。

ホーカーズのラクサ

ホーカーズのラクサ

すり身のスナック

すり身のスナック

外食として外国人にも食べやすいのが、ホーカーズと呼ばれる屋台村フードコートです。ホーカーズではラクサ以外の麺料理もたくさん提供されますが、よく具材として入っているのが魚のすり身です。すり身の揚げたものをスナックとして提供する、ハラル認証を取得しているチェーン店もあります。

最後にマレーシアの最近の情報として聞いた話ですが、魚は脂の強いものが人気があり、トロ、サーモン(ノルウェー産ですが)はもはや定番で、最近は脂の乗ったさばの人気が上昇中だそうです。日本食レストランが発信源のひとつにもなっているので、ぜひ確認してみてください。

【今回の参考書籍】
  • ・石毛直道著、2006年、『麺の文化史』、講談社
  • ・秋野晃司・小幡壮・澁谷利雄著、2000年、『アジアの食文化』、建帛社
  • ・阿良田麻里子著、2008年、『世界の食文化-6インドネシア』、東京印書館

ハラル・ジャパン協会  調査担当 中川 圭吾 ハラル・ジャパン協会、調査担当マネージャー。
ハラルニュース解説サイトHalal Todayの責任者として常に全世界のハラル情報を集約し、情報配信を行う。全国の企業・自治体向けのハラルセミナー・研修講師としても活動中。

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