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コラム連載・コラム

イスラム・ハラル市場と日本の水産物の可能性

第7回 日本に住むムスリムは何を食べているのか

今回のテーマをお話しする前にまず日本に住むムスリムをいくつか大まかなグループに分けて説明します。
1つは十数年前に仕事で日本にやってきた方々で、パキスタンやイランの男性が多いです。
2つめは1つめのグループの男性との結婚、その他の機会にムスリムに改宗した方で、日本人女性が多いです。
3つめは留学生や研修生として日本に来ているムスリムで、学校卒業後そのまま就職して残っている方も含めます。
このうち留学生たちは感覚としては観光客にも近いので、前回までのコラムをお読みください。

大まかに言うと、皆自分たちの産まれた国や地域で子どもの頃から食べ慣れたものを日本でも食べています。
1つめのグループは自分たちの母国の豆や肉を使いスパイスを入れたカレーとチャパティなどを好みますが、日本人女性と結婚した男性は日本食もよく食べていると聞きます。
2つめのグループは日本の味に慣れていて日本食を作れるのですが、外国人と結婚した方は相手の国の料理も作ります。
日本の料理を作ると言ってもムスリムなので豚由来のものや料理酒やみりんは避けることになります。
また、イスラム式にと畜された肉などは、日本ではモスクの近くにあるムスリム向けショップやインターネットショップでしか入手しにくいのが現状です。

大塚モスクの近所では普通のスーパーでもハラル認証肉が売られていた

大塚モスクの近所では普通のスーパーでもハラル認証肉が売られていた

そこで肉を使えない代わりに魚を食べる事が多いです。
魚や野菜は近所のスーパーで安く手に入ります。
焼き魚に塩で味付けをするのは万国共通のシンプルな味です。煮魚などは好みが分かれます。

日本人ムスリムに話を聞くと、最近増えたハラル認証商品の影響は良くない面もあるようです。
3年ほど前まではハラル認証商品は日本ではほとんどなかったので、ムスリムは自分たちで成分を見て選んで購入していたのですが、
ハラル認証を取得した商品が発売されると、同様の今まで購入していたお気に入り商品がハラルか証明されていないため、購入しづらくなるそうです。

さらには砂糖など原料でハラル認証を取得した商品が出ると、お気に入りの商品に使われている砂糖は大丈夫なのか不安があおられるとのこと。
また、お子さんの給食では食べられないメニューが多いが、他のお子さんと同じようなメニューを食べさせてあげたいので作るのに苦労する、とも聞きました。

まとめると、ハラル認証以外の商品でもハラルな商品はたくさんあり、個人の判断のもとで購入されています。
種類は豚由来のものや調味料などイスラムで禁じられたものを除き、魚や野菜を中心に食べているようです。
私を含め、ムスリムでない側のハラルに対する知識とムスリムの気持ちへの理解がとても大事だと考えさせられます。

ハラル・ジャパン協会  調査担当 中川 圭吾 ハラル・ジャパン協会、調査担当マネージャー。
ハラルニュース解説サイトHalal Todayの責任者として常に全世界のハラル情報を集約し、情報配信を行う。全国の企業・自治体向けのハラルセミナー・研修講師としても活動中。

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