復興水産加工業 販路回復推進センター

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コラム連載・コラム

復興水産販路回復アドバイザーコラム

第9回 地域水産業の活性化の基本戦略・・・①まず売る力を育てよ

今回コラムを書いていただいた
復興水産販路回復アドバイザーは・・・ 株式会社プロ・スパー 代表取締役
鈴木 裕己 氏
専門分野販路拡大商品開発小売販売加工技術
マーケティング

全国の産地市場を見て回る中で、活気のある市場の条件として「2社以上の強い仲買人が存在している」ということに気づかされることがよくあります。当たり前のことですが、価格のベースを上げるのは多くの市場で「仲買の競り合い」です。これは1社独占体制では成り立ちません。漁協は純粋なセリでなく、同レベルの2社以上の優良仲買を育てないといけないという意識を以ってセリをコントロールすべきなのかもしれません。

2900を超える日本の産地市場(漁港)は小規模のものが圧倒的に多く、当然そこに所属する仲買人も小規模事業者である場合がほとんどです。売上規模で言えば年間3億円以下にとどまります。この事業規模だと販売エリアも狭く、せっかくの大漁があっても少し続けば(販売エリア内)供給過多となり、浜値はすぐに下がります。そして仲買人が在庫できる設備や資金を有しなければ…その価格は「必要以上に安い価格」まで下がってしまうことでしょう。

時に漁業者には苛立たしいことかもしれませんが、まずは販売力のある仲買…新しく広範な販路を作る意欲のある仲買を優遇してでも、彼らが儲けることに苛立たしさを感じたとしても…彼らに儲けられる商売のネタを与えなくてはなりません。漁獲制限や出漁制限をしてその時の希望価格(そもそもこの価格自体も根拠のない、前後の相場なのですから)を維持していたのでは、仲買は利益を上げる機会を失い、「競り合う」意欲はもちろん、買い支える資金力も持てないことでしょう。

漁業者の仕事もたいへんですが、仲買人や加工業者も同じくたいへんなんです。

そこを理解し、支え合ってこそ、その漁協は衰退を免れることができるのだと思います。漁協自身が加工に乗り出してもそれは所詮素人。そして売ることなら仲買人のほうがまだ少しは長けていることでしょう。「餅は餅屋で」それぞれが専門分野で力を発揮することが大切です。お互いの事情をよく理解し合えば、仲買は必要以上に買い叩こうとはしないでしょう。

震災後、失ってしまった販路を取り戻そうと孤軍奮闘されている方々には「一人でやるんじゃなく、誰と組むべきかを考える」ようにお話をしています。あなたの街(浜)であなただけが単独で復活する…なんてこと普通はあり得ませんよね。もうすぐ6年が経つ今、まだ思うような復活ができていないのであれば、そろそろ切り口を変えなくては結果がついてこないのではないでしょうか。

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