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コラム連載・コラム

イスラム・ハラル市場と日本の水産物の可能性

第14回 ハラル対応商品例3 "サバだしラーメン"

一般社団法人石巻元気復興センターが取り組む“サバだしラーメン”をご紹介します。
「石巻元気復興センター」 は宮城県石巻市で東日本大震災の被害を受けた企業経営者たちが、復興に向けて互いに協力して事業を進めるために立ち上げたグループです。
http://ishinomakinet.com/genki/index.html

サバだしラーメン盛りつけ例(センターウェブサイトより)

サバだしラーメン盛りつけ例(センターウェブサイトより)

同センターは参加企業が新たな販路を切り開く一つの対象として、世界16億人のイスラム教徒(ムスリム)市場を目指す事にしました。メンバー企業が提供するムスリム向け商品には「ノンポーク・ノンアルコールフード」と記されています。ムスリムの試食会を重ねて反応を聞いた結果、国内市場向けにはハラル認証を取らなくても成分表示で理解していただけると判断しました。

商品は「サバだしラーメン」「牡蠣のキーマ風カレー」「ノンオイル和風ドレッシング」「海鮮おから餃子」「七福藻」「いわしすり身」「さんますり身」などです。メンバーの自社商品で元々ハラルな成分のみでできているためムスリム向けに販売しているものもありますが、今回はメンバー3社の協力で完成した「サバだしラーメン」に注目します。

元々、サバだしラーメンは石巻専修大学石原ゼミが地元の食堂と共に復興のため開発したものです。石巻の飯野川地区では伝統的にサバのだしを使っていたことから、地元で獲れる小麦を使った麺と合わせてご当地ラーメンがつくられました。

サバだしラーメンパッケージ(ムスリム向けではない方です)

サバだしラーメンパッケージ(ムスリム向けではない方です)

元気復興センターはこの商品を発展させてムスリム向けに豚成分とアルコール分を使っていないサバだしラーメンを開発することにしました。
山徳平塚水産(株)のサバのだしを使って(株)山形屋醤油店が風味豊かなあっさり系スープを作り、(有)島金商店が作ったサバのカルシウム入りオリジナル麺を合わせて販売しています。トッピングの焼きサバも山徳平塚水産の加工です。
鶏や豚を使わずにコクを出すスープづくりも大変ですが、ラーメンの麺も酒精(アルコール)を入れられないため常温では日持ちしないため、製造後、冷凍設備がある山徳平塚水産で保存しているそうです。

今回はムスリム向けという条件をクリアするために各社が協力をした商品の事例でした。資金、設備的に1社での挑戦が厳しい状況では、各社がそれぞれの持つ知識や設備を持ち寄ることも一つの方法です。ぜひ協力会社や地域の仲間の存在も再確認してみてくださいね。

ハラル・ジャパン協会  調査担当 中川 圭吾 ハラル・ジャパン協会、調査担当マネージャー。
ハラルニュース解説サイトHalal Todayの責任者として常に全世界のハラル情報を集約し、情報配信を行う。全国の企業・自治体向けのハラルセミナー・研修講師としても活動中。

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