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コラム連載・コラム

イスラム・ハラル市場と日本の水産物の可能性

第15回 まとめ(その1)

このコラムはあと2回で完結です。今回と次回でこれまでを振り返りながらまとめて行きたいと思います。

まず、イスラム圏の食生活として、東南アジア、中東、その他の地域でどのような食事(水産物を含め)を取っているかを見て来ました。それは個人的にですが、ムスリム→ハラルとの印象が強すぎて大事な要素である「し好」がおろそかになっているからではないかと思っているからです。販路の拡大として輸出や外国人観光客市場を考えているのであれば、対象となる人々がふだん現地で何を食べているのかを知っておいて損はないです。

とは言え私は世界の食については専門家ではなく、単に興味が強いだけです。このコラムをきっかけとして、皆さまにはぜひイスラム圏の食生活にも興味を持っていただきたいと思います。そしてムスリムの方にお会いした時に出身はどこか、普段はパン食なのか、米食なのか、魚派なのか肉派なのか、焼き魚に慣れているのか、スープなら食べるのかなど聞いて、商品開発に役立てていただきたいと思います。

今年度、ハラル・ジャパン協会は宮城県農林水産部・食産業振興課のムスリム受入環境の促進(つまりムスリム観光客が安心して食べられるお店を増やす)のプロジェクト運営に携わってきました。東北大学の留学生たちと一緒にモニターツアーで塩釜の魚市場にも行きましたし、宮城の新ブランド「伊達いわな」の刺身やスシもムスリムの皆さんと一緒に試食会で食べました。美味しい水産物はやはり人気があります。

宮城の新ブランド「伊達いわな」の刺身とスシ(生と炙りの食べ比べ)

宮城の新ブランド「伊達いわな」の刺身とスシ(生と炙りの食べ比べ)

宮城の新ブランド「伊達いわな」の刺身とスシ(生と炙りの食べ比べ)

日本に住んで数年になる彼らはサシミやスシにも慣れて来ていますが、それでも「生のままよりあぶった方が食べやすい」「生で食べるのはだいたいマグロやサーモン」など食べ方の傾向が見えます。外国のものを食べて生活をする人々に旅行中ずっと日本食を食べてもらうのも無理があります。初めて来る観光客がどこまで日本食の文化を受け入れられるのか、挑戦するつもりなのかを想像し調べてみると、インバウンド市場への取組み方が見えて来るのではないでしょうか。

ハラル・ジャパン協会  調査担当 中川 圭吾 ハラル・ジャパン協会、調査担当マネージャー。
ハラルニュース解説サイトHalal Todayの責任者として常に全世界のハラル情報を集約し、情報配信を行う。全国の企業・自治体向けのハラルセミナー・研修講師としても活動中。

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