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コラム連載・コラム

イスラム・ハラル市場と日本の水産物の可能性

第16回 まとめ(その2)

いよいよ最終回です。前回はお客様のし好を考える大切さをお伝えしました。今回はどのように対応して商品を作り、どのようにムスリムに説明すれば良いかを考えます。

このコラムをお読みいただいた方ならおわかりの通り、水産物のほとんどは元々ハラルで、イカやタコなども多くのムスリムにとって宗教的な問題はないと考えて結構です。水産業界の皆様には、商品の加工段階でハラルでなくなってしまわないように注意をいただきたいと思います。

例えば魚介類の原材料がハラルでも、他の食材、調味料、エキスなどがハラルでなければ、商品そのものとしてはハラルでなくなってしまいます。最近は水産加工品でも商品が淡白にならないよう、コクや深みを出すために牛や豚などの動物エキスが使われることが少なくないようです。こうした食材や調味料が何で代替できるかを研究してみてください。その際、ムスリムの味覚では一般的な日本人消費者に必要だとされているコクが必要なのかも調べられると尚良いでしょう(この意味でもターゲットがふだん何を食べているかを知ることが大事です)。

2017年2月のシーフードショー大阪では、当会ブースでハラル水産商品コーナーを作りました。2017年2月のシーフードショー大阪では、当会ブースでハラル水産商品コーナーを作りました。

2017年2月のシーフードショー大阪では、
当会ブースでハラル水産商品コーナーを作りました。

製造環境については意見が分かれます。製造機械まわりも含めてハラルでないものを完全に排除できるなら越したことはありませんが、アレルゲン対策のようにムスリム向け商品に他のハラルでない成分が混ざらないような工夫をすれば、それだけでも十分と考えるムスリムもいることを知っておいていただきたいと思います。

また、ムスリムにどのような説明が有効か知る必要があります。以前紹介した「ノーポーク(もしくはノーアニマル)」「ノーアルコール」のように、該当商品にハラルでない成分が入っていないことを説明するだけでムスリムの方が安心して買ってくださいます。国内在住のムスリムと海外から観光に来るムスリムの意識の差、出身国の差、個人差などがあることも確かですが、ムスリムのほとんどいない日本ではこの対応で一定の評価は得られています。
訪日観光客の中でもまだ割合の少ないムスリム観光客向けだけにしぼる場合は売り方、売る場所、売り先に工夫が必要です。国内各地の観光地がムスリム対応に利用していただけるような商品を狙うのも一つの方法だと思います。

コラムはこれで完結です。拙い文章にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。海外の消費者の情報や販路の情報などで皆さまのお手伝いをさせていただけることを楽しみにしています。

ハラル・ジャパン協会  調査担当 中川 圭吾 ハラル・ジャパン協会、調査担当マネージャー。
ハラルニュース解説サイトHalal Todayの責任者として常に全世界のハラル情報を集約し、情報配信を行う。全国の企業・自治体向けのハラルセミナー・研修講師としても活動中。

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