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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第11回青森県有限会社八戸十全物産

「他がやっていないから続ける価値がある」
国産製品にこだわる魚介屋の矜持

「さっきの地震はただの地震ではなかったのか――。乾燥珍味を取り扱う八戸十全物産(青森県八戸市)の専務取締役、渡辺忠義さんが異変を察知したのは、大きな揺れに見舞われてからまだそんなに時間も立っていない頃でした。子供の通う塾に車を走らせながら外の様子をうかがっていると、近くを流れる川の様子がいつもと違って見えました。

「川の水がこれまで見たこともないくらい引いていたんです。正直、『津波は来ないだろう』と高をくくっていましたが、万が一に備えて従業員を帰らせておいてよかったと思いました」(渡辺忠義さん・以下「」内同)

八戸十全物産の 渡辺忠義さん

▲八戸十全物産の 渡辺忠義さん

東日本大震災の津波により大きな被害に遭ったのは、福島県、宮城県、岩手県だけではありません。青森県沿岸部にもそのような場所があります。ウミネコの繁殖地として有名な蕪島(かぶしま)から近い、八戸十全物産の工場付近もその一つです。

地震直後、従業員からは「このまま仕事を続けましょう」という意見も出たそうですが、結果的に渡辺さんの判断が人的被害を免れることにつながりました。

国の天然記念物に指定されている「蕪島ウミネコ繁殖地国の天然記念物に指定されている「蕪島ウミネコ繁殖地

▲国の天然記念物に指定されている「蕪島ウミネコ繁殖地

しかし物的被害は甚大でした。

港とほとんど高さの変わらない場所に建つ八戸十全物産の工場は、ほぼ壊滅状態となってしまったのです。

渡辺さんはその様子を、JR八戸線の線路が通る工場裏の崖の上から見届けていました。

「海から来る波が崖ではね返って、波と波がぶつかり合うような状態でした。そこへ海水で一杯になったダンベ(魚の運搬容器)やトラックが流れてくる。その時はまだ、かろうじて工場の屋根も見えてはいたのですが……」

一夜明け、渡辺さんが再び工場に戻ってみると、その屋根は見えなくなっていました。 渡辺さんがいない間に工場ごと押し流されてしまったのです。

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