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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第14回茨城県株式会社鴨安商店

「百年の恋」に目覚めた7代目、
イワシの“復権”にかける想い

高いエビと、安いイワシ。迷うことなく前者を選んでいた青年は、ある人からの一言をきっかけに、扱う魚種を、そして自らの生き方すらをも変える選択をします。

「昭和53年か54年頃だったと思います。当時の私は、東京で会社勤めを経験して地元に帰ってきたばかりだったせいか、生意気なところもあったんでしょうね。とにかく儲かることをしなきゃいかんと、当時流行していた持ち帰り寿司の寿司ダネづくりに力を入れていました。中でも稼ぎ頭のエビは売り上げが右肩上がりの人気ぶり。私は業績好調に浮かれていましたが、取引先のある問屋さんから『地元で魚が獲れているんだから、それをもっと使ったほうがいいんじゃない?』と言われて、それではっと目が覚めたんです。」

▲ 鴨安商店7代目、鴨川安男さん

▲ 鴨安商店7代目、鴨川安男さん

鴨安商店(茨城県神栖市)社長の鴨川安男さん(以下「」内同)は、創業明治15年の同社7代目。

曽祖父の初代鴨川安次郎氏が始めた鴨安商店は、これまで漁船経営や小売など、時代とともに業態を変化させてきましたが、全国農林水産祭の最高賞「天皇杯」を受賞したカタクチイワシの「いわし桜干(さくらぼし)」(当時はその原型となるみりん干し)はおよそ百年前の大正時代から生産を続ける伝統の商品です。

▲「天皇杯」を受賞した「いわし桜干(さくらぼし)」

▲「天皇杯」を受賞した「いわし桜干(さくらぼし)」

子どもの頃からイワシに囲まれ、イワシとともに育ってきた鴨川さんは、問屋さんからの一言に触発されて「これからは地元で獲れるイワシを中心にやっていこう」と方針を転換します。

イワシ以外にも、地元の波崎漁港や、利根川を隔てて隣接する銚子漁港に水揚げされるサバ、サンマなどの魚を扱ってきた鴨川さんですが、利益が出やすかったエビ加工の割合を減らしていったことを、後悔することにはならなかったのでしょうか?

「実はそれがタイミングとしてもちょうどよかったんです。その頃、エビ加工の拠点が、国内よりもコストの低い東南アジアに移っていくところでした。遅かれ早かれ我々の出番は減っていく運命だったのです。」

もし、エビの加工をさらに拡大しようとしていたら、鴨安商店は大打撃を受けていたかもしれません。 結果的には地元の魚を主軸に据えたことが吉と出たようです。

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