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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第24回岩手県及川冷蔵株式会社

転んでもただは起きぬ冷蔵会社が挑む加工品開発の道

岩手県気仙地方には「ほまぢ」という方言があるそうです。その言葉をオリジナル商品のブランド名に使用している及川冷蔵(岩手県大船渡市)の代表取締役、及川廣章さんに、どんな意味なのか尋ねました。

▲ 常に新商品のアイデアを考えているという及川廣章さん ▲ 常に新商品のアイデアを考えているという及川廣章さん

▲ 常に新商品のアイデアを考えているという及川廣章さん

「ほまぢという言葉には『とっておきの』という意味があります。漁師は魚を10匹釣ったら、9匹を売りに出し、一番いい1匹を家族のために持ち帰るというたとえ話があるのですが、その1匹こそがまさに『ほまぢ』です。このブランド名には『私たちのとっておきの魚をお客様に届けます』という思いを込めています」(及川冷蔵の及川廣章さん・以下「」内同)

▲ イクラも一粒一粒が目視で厳選されている

▲ イクラも一粒一粒が目視で厳選されている

ほまぢブランドの商品は、イクラの甘塩漬けや醤油漬け、焼きウニ、生ウニ、サンマやイカの天日干しなど、同社が特にこだわっているものばかりです。社名の通り、もともと冷凍・冷蔵業が中心だった及川冷蔵が水産加工業を始めたのは20年ほど前。ほそぼそと続けていたという加工業に本格的に乗り出したのは震災後のことです。にもかかわらず、すでにオリジナル商品が豊富にあるのには理由があります。

同社では2013年以降、毎月1品の新商品を出すようにしています。そのために週に一度の企画会議を行っているほか、復興ボランティアとして大船渡を訪れた全国のシェフたちからもアドバイスを受けるなどしています。

そんな積み重ねの中でさまざまな商品が生まれました。獲れたてのサンマをミンチにして味付けし、もちだんごの生地で包んだ「さんまもちだんご」もその一つです。

「さんまもちだんごを考案する前、鮮魚として出荷するには小さいサイズのサンマをミンチにしてサンマハンバーグを作っていました。ある時、加工品コンテストが開かれるというので、そこから少し工夫を加えて『サンマばっとう』を作りました。はっとうというのは、すいとんのような郷土料理です。汁の中にはサンマのミンチを餃子風に皮で包んで入れました。私はすいとんとサンマのつみれ汁がどちらも大好物で、その両方を一緒に食べられないものかと考えていたので、その夢が叶ったような食べ物です。ただ、それではまだ満足できていなかったので、今度はもちだんごの生地で包んでみました。『さんまもちだんご』はそうして生まれました」

▲ レンジで簡単に温めるだけで食べられる「大船渡もちだんご」(同社の通販サイトより)

▲ レンジで簡単に温めるだけで食べられる
「大船渡もちだんご」(同社の通販サイトより)

及川さんはもちだんごシリーズのラインナップ充実を図るべく、復興支援事業の助成金を活用して包餡(ほうあん)機という餡を皮で包むための機械を購入しました。電子レンジで簡単に調理できる『大船渡もちだんご』もラインナップに加わりました。

「さんまもちだんご」の商品は同社のサイトほか、道の駅などで販売されています。本格的な生産を始めてから1年半ほど経っていますが、安定した人気商品になっているようです。

  • この日はアナゴやサンマが工場で加工されていた
  • 宮古市魚市場で仕入れた新鮮なサンマが積まれていた

▲ サンマのミンチを生地で包む際に使われる包餡機

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