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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第25回青森県有限会社マルゲン水産

目利き自慢の加工会社が、「損をした相手」とも付き合い続ける理由

「津波を甘く見るな、避難しろ!」

大きな揺れがあった後もイカをさばき続けようとしていたところに、チリ地震を経験していた父親からの一喝。もしその言葉に従っていなかったら、当時工場にいた17人の従業員の身にも大きな危険が及ぶところでした。

マルゲン水産(青森県八戸市)専務取締役の源波信一さんは、当初はそれほど大きな津波が来るとは思っていなかったようです。

▲ マルゲン水産専務取締役の源波信一さん

▲ マルゲン水産専務取締役の源波信一さん

「あまりの揺れに驚いて表に出たら、向かいの加工屋さんからも人が出てきていました。私は仕事を続けるつもりでしたが、父からの言葉を受けた後にテレビで三陸の映像を見て、『これは八戸も危ない』と思い従業員を全員帰らせました。私は最後に避難し、トラックを高台に移動させました。やがて襲い掛かってきた津波の第1波はそれほど大きくはなく、フォークリフトがショートして出火する程度でした。ところが第2波は大きな波で、1トンはある鉄製のタンクが工場の天井に押し上げられるほどでした。津波の高さは2.7メートルに達し、工場の1階にあったものはすべて駄目になりました」(源波信一さん・以下「」内同)

被災他県に比べ津波被害が小さい青森県でしたが、八戸港の岸壁に漁船が打ち上げられるなど、一部の地区では大きな被害がありました。マルゲン水産はまさにその地区にある工場。1階にあった冷蔵庫や製品はすべて海水に浸かり、元の状態で残ったのは柱だけ。近くの運送会社からはトラックが3台押し流されてきました。

壊滅的ともいえる状況でしたが、マルゲン水産は震災からわずか11日後の3月22日に業務を再開しています。

「八戸の魚市場は再開が早かったので、うちも早く仕事を始めたいと思っていました。機械がすべて使えなくなっちゃった上に、まだ電気も水も通っていませんでしたが、鮮魚なら冷蔵庫がなくても扱える。そう思って、従業員たちと一緒にがれきの中から出刃包丁や作業台や鮮魚を詰める箱を取り出して、汲み上げた地下水でそれらを洗浄しました」

もともと鮮魚だけを取り扱っていたマルゲン水産。全国各地から注文が入るほど、魚の目利きには定評があります。マダラとナメタガレイを買い付けた再開初日も、無事それらを出荷することができました。

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