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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第29回茨城県ダイカツ水産株式会社

「ちょっとしたこと」から始まる製品開発と一流メーカーへの道

寒い冬でも、朝から晩まで冷たい水に触れる大変な仕事――。働く両親の背中を見ながら育ったダイカツ水産(茨城県大洗町)社長の小野瀬勝義さんにとって、水産加工業への印象は決して明るいものではありませんでした。

▲ ダイカツ水産社長の小野瀬勝義さん

▲ ダイカツ水産社長の小野瀬勝義さん

「学生時代はアメリカのサンフランシスコに留学したり、バックパッカーのように海外を放浪する旅に出たりしていました。長男だからということで家業を継ぐために地元に戻ってきましたが、最初は正直、『あまりやりたくないな』と思っていました。でも、どうせやるなら一流を目指したい。そういう気持ちが湧いてからは、新しいことにもどんどんチャレンジしていきました」

一流になるにはどうすればいいのか。小野瀬さんはまず、大手スーパーとの取り引きを増やすことから始めました。それまでは加工した製品を主に市場に卸していましたが、より消費者に近い取引先と仕事をすることで、ただ魚を加工するのではなく、どういうものが売れるのかを考えながら製品を作る道を模索していったのです。20年ほど前にはこんなこともありました。

「バイヤーさんとの話し合いの中で、干物を3枚入りパックで袋に詰めて販売してみたところ、予想以上にヒットしました。中身は同じでもちょっとしたことでこんなに売り上げが変わるのかと驚きましたね。今では干物の袋詰めも珍しくありませんが、当時はまだ、どこもやっていませんでした。お客さまからは、『余計なゴミが出なくていいね』『1枚ずつ取り出せるから少しずつ食べたい時に便利』といった声が聞かれました」

同じ商品を売るのでも、包装方法を変えるだけで売り上げが変わる。その面白さを知った小野瀬さんは、その後も「ちょっとした工夫」を続けます。

「首都圏のスーパーなどで開かれる物産展では、沼津や小田原などの干物がよく扱われます。大洗地区は水産加工基地としては大きな規模がありますが、干物の産地としては他の地域に比べてブランド力が弱かった。そこで当時流行っていた緑茶のカテキンを使って日持ちをよくした『茶干し』や、日本酒で風味を付けて魚の臭みを抑えた「酒造干し」などを作って商品化しました」

アジやホッケ、サンマ、アカウオなど、大洗港で水揚げされた魚を使った干物は、簡便商品が好まれる時代にもマッチして、ダイカツ水産の定番商品として同社のその後の成長に寄与しました。

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