復興水産加工業 販路回復推進センター

販路回復・助成事業・アドバイザー 相談の申し込み

企業紹介企業紹介

企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第32回青森県株式会社中村漁業部

元漁師の誇りとともに――継承者は「うす味」にこだわる

青森県八戸市に工場を構える、中村漁業部。それは企業の部署名などではありません。「株式会社中村漁業部」という、れっきとした会社名なのです。

そして社名に隠されたもう一つの謎。八戸港から5キロ以上も離れた内陸にある同社は、聞けば漁業を行っているわけでもないというのに、なぜ「漁業」なのでしょうか。

中村漁業部の取締役営業部長、中村茂さんは同社の成り立ちを次のように解説します。

▲ 同社の歴史や製造秘話を語る中村漁業部の中村茂さん

▲ 同社の歴史や製造秘話を語る中村漁業部の中村茂さん

「当社はもともと漁船を経営する会社でした。社名に『漁業部』と付いているのはそのためです。
今から30年ほど前までは、現在社長を務めている私の父も船に乗っていました。しかし日ソ漁業交渉を受けて漁業は廃業せざるを得なくなり、その後は漁船経営と並行して行っていた珍味の製造に特化して会社を続けています」(中村茂さん、以下同)

中村漁業部の創業は1915年(大正4年)。中村さんの曾祖父が、鮮魚の卸商や出荷組合を営むことから始まりました。1941年からは漁船経営にも乗りだし、北海道の沖合でイカ釣りやサケ・マスのはえ縄漁業を行っていましたが、中村さんが話すように現在は加工部門だけを残して事業を行っています。

しかし海から陸に仕事場が移ってからも、中村漁業部の大切にする場所は海。製品にも「元漁師」のプライドが宿っているのです。

▲ 漁船経営時代に延縄漁業を行っていた日枝丸

▲ 漁船経営時代に延縄漁業を行っていた日枝丸

「近年、調味液をたっぷりと使った濃い味の輸入珍味が増えています。でもそれは、魚の味がほとんどしない、言ってみれば“おやつ”です。当社の珍味を手がけてきた元漁師たちは、前の工場長を筆頭に魚の味にうるさい人たちばかりで、それが素材の味を活かしたうす味の製品づくりにつながっています。原料選びがとても重要になるため、八戸魚市場で自分たちの目で見て、品質の良い原料だけを買い付けています」

▲ 八戸魚市場でのセリの様子

▲ 八戸魚市場でのセリの様子

  • ▲ 製品作りは一次加工から最終加工に至るまで自社で行う
  • ▲ 製品作りは一次加工から最終加工に至るまで自社で行う

▲ 製品作りは一次加工から最終加工に至るまで自社で行う

中村さんは、決して万人受けは狙っていないといいます。それよりも、魚が好きな人が求める上質なものを提供していきたい。その思いを全国の「うす味ファン」に届けるべく、百貨店やインターネット通販を中心に販売を展開しています。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
TOP