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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第42回茨城県株式会社出羽屋

「霞ヶ浦の自然の恵みをいかして」
創業以来の味を守りながら“ごはんのおかず・佃煮”を世界に

延々と緑の葉が茂るレンコン畑の向こうに出羽屋の工場が建っていました。すぐ裏には霞ヶ浦。工場の窓からも広々とした湖面が望めます。霞ヶ浦は琵琶湖に次ぐ日本で2番目に大きな湖。ワカサギやシラウオエビなどの水産資源に恵まれ、現在50種以上の魚の生息が確認されています。

出羽屋の創業は昭和5年。創業者の戸田隆(たかし)さんの実家は、乾物などの食料品を扱う万屋を営んでいました。隆さんが奉公していた店の屋号が「出羽屋」。その奉公先が店じまいするにあたり、その屋号を譲り受け、旧出島村(霞ヶ浦)に帰郷、家業を引き継ぎながら、地元で採れた野菜の漬物や佃煮、霞ヶ浦で揚がったワカサギなどの煮干しを製造販売するようになったそうです。

現社長である二代目の廣(ひろし)さんの代になって、スーパーなどにも納めるようになり、佃煮を中心にアイテムを増やしていきます。現在は、定番のワカサギ、シラウオの佃煮ほか、エビ、昆布・のり、シジミやアサリなど貝類の佃煮ほか40アイテムほどを製造しています。

その出羽屋、専務取締役の戸田理(おさむ)さんが同社に入社したのは、二代目廣さんの長女、弘美さんと結婚した30歳のとき。それまでは電子工学を専門とし、コンピューター制御の機械の設計に携わっていたという理さん。出身は新潟県柏崎市だそうです。

「それまでの食生活で佃煮にもなじみがなかったですし、まったくの白紙状態でこの業界に飛び込んだ感じですね。はじめは、この地方独特の早口のしゃべり方にもなれず、聞き取るのもむずかしくて、仕事を覚えるのに必死でしたね(笑)」(専務取締役・戸田理さん 以下「 」内同)

そんな戸田さんだからこそ、これまでの既成概念にとらわれない商品作りができた、ともいえるでしょう。
佃煮を幅広い年齢層、とくにお子様にも食べてもらえるようにと、くるみと小魚を一緒に煮た「ちりめんくるみ」(※)や「小女子くるみ」などを売り出し人気商品に。また原料を見直し、上白糖からビート(てんさい)グラニュー糖に変え、さっぱりとした甘さの商品をつくるなど、意欲的に商品のアレンジにも取り組んできました。(※)2017年8月現在、原料仕入れの事情からギンポに変更

▲ 出羽屋、専務取締役の戸田理さん

▲ 出羽屋、専務取締役の戸田理さん

その味は、全国の水産加工展においても評価が高く、これまでに農林水産大臣賞を7回受賞しています茨城県水戸市ほか県内に直営店5店舗を開店、通信販売も開始しました。地元の人にはもちろん、郷里を離れた人にも“ふるさと霞ヶ浦の味”として80余年もの間、親しまれています。

商品へのこだわりは、先代から受け継ぎ今も守り続ける、「90日も日持ちするものは作らない」というポリシーに表われています。合成保存料や合成着色料は使用せず、素材の味を生かした佃煮。佃煮を炊く元ダレは、創業以来継ぎ足しされながら使われ素材の旨みが凝縮されたもので、これまで80余年の出羽屋の歴史を物語る味でもあるのです。

  • ▲ 定番かつ一番の人気商品「ワカサギの甘露煮」

    ▲ 定番かつ一番の人気商品「ワカサギの甘露煮」

  • ▲ 取材に訪れた際、工場では目の前の霞ヶ浦で揚がったワカサギを塩ゆで、天日干しした「ワカサギ 煮干し」が出荷準備中でした

    ▲ 取材に訪れた際、工場では目の前の霞ヶ浦で揚がったワカサギを塩ゆで、天日干しした「ワカサギ 煮干し」が出荷準備中でした

▲ 茨城県内5カ所で展開する直営店舗は、お客様の生の声を聴ける貴重な場で、商品開発にもその声をいかしている

▲ 茨城県内5カ所で展開する直営店舗は、お客様の生の声を聴ける貴重な場で、商品開発にもその声をいかしている

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