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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第58回宮城県株式会社ささ圭

技術と信頼。形のない財産が復活を支えた。
「手わざかまぼこ」で地域に尽くす

▲ ささ圭常務取締役・商品開発室室長の佐々木堯さん

▲ ささ圭常務取締役・商品開発室室長の佐々木堯さん

東日本大震災の4カ月後の7月1日。名取市増田地区に唯一残った店舗を改造して作った小さなかまぼこ工房。オープンを告げるのは小さな張り紙のみ。それでも、店の前には開店時間前から地元の人が大勢集まり、一枚一枚丹念に成型し、手焼きした手造りの笹かまぼこを手にしていったのです。

「地元の方から早く作ってほしい。全国の方からいただいた支援にお礼をするのに、やっぱりささ圭の笹かまぼこを贈りたい、とありがたい声をたくさんいただいていましたので、本当にうれしかったですね」と語るのは、「株式会社ささ圭」常務取締役・商品開発室室長の佐々木堯(ぎょう)さん。

同社は、宮城県名取市で1966年に創業(法人設立は1976年)。笹かまぼこ製造・販売するメーカーとして地元の人に愛されてきました。
東日本大震災の大津波で名取市閖上(ゆりあげ)地区にあった3つの工場をすべて失い、従業員3人が犠牲になる甚大な被害を受けました。現社長の佐々木圭亮さんは、「廃業するしかないのか」と一度は思ったそうです。

当時、堯さんは東京で大学に通う学生でした。テレビで故郷のまちが津波に流されていく様子を見て、「これは、みんなだめかもしれない」と思ったそうです。必死で携帯電話をかけ続け、ようやく夜になって電話がつながり、家族の無事を確認することができました。尭さんは、すぐに名取市に帰ろうと思いましたが、父の圭亮さんから「衣食住が不安定な中1人分更に増えるのも被災地では負担になるのでしばらく待つように」と諭されました。4月になりようやく家族がみなし仮設住宅に住めるようになってから、尭さんが名取市に戻り、震災後はじめて家族と対面。その後、閖上の工場跡に案内してもらい、瓦礫だらけのその無残な光景に言葉を失ったと言います。みんなで片付けを行っていると、瓦礫の山から笹かまぼこの製造に使用する金串を見つけたそうです。それから約1ヶ月、圭亮さん、堯さんはじめ従業員で、ひたすら金串を掘り出し、丁寧に洗う作業を続けました。

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