復興水産加工業 販路回復推進センター

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セミナーレポート

第18回
「ジャパンインターナショナルシーフードショー」


セミナーレポート①東北水産物・水産加工品の魅力とその販路開拓

平成28年8月17日に第18回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」にて「東北水産物・水産加工品の魅力とその販路開拓」というテーマで水産加工業販路拡大セミナーが開催されました。復興水産販路回復アドバイザーが販路回復・開拓に向けて行ってきた取組についての紹介をしていただきました。

講師
株式会社キースタッフ
代表取締役
(復興水産加工業販路回復アドバイザー)
(中小企業診断士)
鳥巣 研二 氏

■ 購買者の関心は地方に向きつつある

鳥巣氏はセミナーの講演で東北のある都市に訪れた際、ある大型ショッピングセンターに立ち寄ってみた。平日とはいえ、ほぼ人けが無く閑散としており、何台も並べられたレジはほぼクローズ。なんともさびしい光景が広がっていた。その足で被災地の直売所を訪れたところ、そこには大都市のナンバーを付けた車が多く駐車され、たくさんのお客さんで溢れていたという。お客様の目は価格優先のスーパーより、「地のモノ・特別感」のある地方の直売所に向いてきている。

■ 商品開発成功のポイント 地方の食材×トレンド

地元でせっかくいい原料があってもその商品が需要とかけ離れていては売れない。 そんな中、鳥巣氏がお勧めするのは健康志向、無添加などトレンドとマッチした「ドレッシング」作りだ。これには以下の理由がある。

・伸びている市場である
ドレッシングは健康志向や野菜摂取需要を背景に、日本の加工食品の調味料関係では唯一伸びている市場

・新しい食べ方を提案できる
万能調味料であり、サラダはもちろん、カルパッチョ、チャーハンなど、様々な食べ方の提案が可能

・常温保存が出来る
無添加かつ常温で保存できることも流通の際のコスト面や売場を選ばないという点で有利 また、お土産物でも常温であれば気軽に買うことが出来る

・営業許可がいらない
自宅での製造も可能であるため、震災後に工場が流され設備が整っていない環境でも始められる

■ ドレッシング開発 伊豆大島の例

伊豆大島では「ゴマサバ」が獲れるがうまく活用できていないとの相談を受け、鳥巣氏は浜のお母さん方を中心に鯖ドレッシングの開発に取り組んだ。衛生面の管理方法から丁寧に指導を行い「伊豆大島 鯖ドレッシング」(写真中央にある3本)が完成。通常の冷凍サバのままだとかさばる上、持って帰りにくいため、観光で来たお客様は手が伸びないが、常温のドレッシングであれば気軽に買っていただけ、評判は上々とのこと。また、同じく伊豆大島特産の明日葉も「水洗いしてドレッシングをかけるといいですよ」と言うとどちらも買っていただけるようになったという。

■ 今後の日本の食産業について

1兆円規模のメーカーはもう出て来ないだろうと鳥巣氏。そして今後は3~30億円規模のメーカーが多くなるとの予想。国内マーケットがますます厳しくなる中、生き残っていくためには「エクセレントローカル」がキーワードとなる。エクセレントローカルとは、例えば野菜であれば、「自ら、あるいは契約農家と有機や減農薬で栽培し、しかもその原料を自社工場で無添加かつ限りなく手づくりした製品を自分の眼の見える範囲内で販売していく」というもの。
地域の原料を使って丁寧に作り上げ、問屋に大量に流すのではなく、自分たちが把握できる売り先に販売していくことが大切とのこと。

セミナーレポート②「水産物ハラルセミナー」

平成28年8月17日に第18回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」にて、水産物ハラル対応として、第1部は「ハラルの基本、ハラル水産物の解説、水産物でイスラム市場を攻略するためのアドバイス」を、第2部では「ムスリム向け水産物を製造する先行企業と、イスラム市場をよく知るムスリムのバイヤーによるパネルディスカッション」を開催しました。

第1部
水産物ハラルセミナー 
基本から戦略まで
一般社団法人 ハラル・ジャパン協会
代表理事 佐久間 朋宏氏
(復興水産販路回復アドバイザー)

■ 説明のポイント

本日は、基本的な、キーワードとして

  • ①魚は、ハラルであるので難しく考えない。
  • ②ハラルビジネスについて、インバウンド対応とアウトバウンド対応を分けて考えることが大切。
  • ③ハラル認証の取得=ハラルビジネスではない。
    *イスラム教徒への販売やイスラム教の国へ輸出する際に、ハラル認証は必ずしも必要としない。

1.イスラム教徒へ「食」を広めるポイント

日本人の食べ物・ライフスタイル・生活習慣に興味を持つイスラム教徒の人が多くなっている。チャンスです。特に2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されてから、じわじわ和食が広がっているが、ポイントは健康。和食そのものでは難しい。生活習慣病対策・糖尿病対策等としての和食が、相手のニーズとマッチしている。

2.味付けについて

味付けは、トルコ・アラブ・エジプト・マレーシア・インドネシア等、おふくろの味やそれぞれの国の特有の味付けがある。日本で販売しているままの味付けで輸出してもいいが、浸透させるためには、現地の香辛料・甘さ、形・ネーミング等工夫する必要がある。

3.ハラル対応の食品で大切なこと

留学生もインバウンドの訪日客も、日本の食品について隠し味等いろいろなものがあり、そのまま食べるのは不安。(日本語は分らないので)原材料表示を英語にすることが、ハラル対応の第一歩である。

4.イスラム教の話

  • ①ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は兄弟である。イスラム教が最後にできた宗教。イスラム教は「食べ物」とお祈りが大事。イスラム教徒は1日5回メッカの方向に向いて、19億人のイスラム教徒がお祈りする。金曜日がお休みで、イスラム教徒の人とビジネスすると、日曜日にメールや電話がくる。
  • ②モスクとは  
    礼拝所であり、寺院ではない。「公民館」であると思ってください。会合も行えば、結婚式や葬式も行う。イスラム教徒の特徴は、キリスト教・仏教と異なり聖職者・お坊さんがいないこと。聖職者がいないから1日5回、直接自分で神様にお祈りし、伝える。

5.ハラルとハラム

・「ハラル」・・・ イスラム教徒にとって、やっていいこと。
・「ハラム」・・・ イスラム教徒にとって、やってはだめなこと。
「ハラムなもの以外はハラル」

  • ①「ハラル」なもの
    ・土からとれるものと、水の中のものは「ハラル」
    ・生きている動物からとれるものはハラル。(牛乳・卵はハラル)
    ・牛、羊、鶏肉等はOK。しかし屠畜方法がハラルであること。
  • ②「ハラム」なもの
    ・豚由来のものはダメ。触れてもダメ(工場ラインなどで、豚関連のものが触れたものは、洗ってもダメ)。
    ・アルコールはダメ。酔わせる目的のアルコールはだめ。日本酒、みりんはだめ。味噌、醤油等は条件がある。

6.ハラル対応の効果

  • ・イスラム教徒にとって、ハラル以外に「トイバン」という言葉が好まれる。「安全」「健康によい」「高品質」を意味する。日本の多くの食品工場は「トイバン」な工場であり、ハラルとトイバンは日本製品のチャンスです。
  • ・「ハラル」対応は、HACCP等に接点があり、トレーサビリティーも明確になるので、オーガニック、ベジタリアンの人たちにも、食べてもらうチャンスがある。  ハラル食はイスラム教徒用というだけではない。

7.ハラル認証について

  • ①ハラル認証を取ることがハラルビジネスではない。
    ハラル認証の基準は、統一されていない。世界に400~500も認証マークがあるが、例えば、サウジ・エジプトでは、認証マークは存在しない。イスラム教は1400年前に生まれたが、ハラル認証が生まれたのは50年前のマレーシア。だから、マレーシア、インドネシア等は認証を欲しがるが、万能ではない。
  • ②ハラル認証・・・成分を見なくても安心して買える、安全・安心マークである。
    (マレーシア、インドネシア、タイ等が力を入れている)
  • ③「どこで作って、どこの国に売りたいか?」それを決めてから、ハラル認証を考えるのが大切。(マレーシア、インドネシアが特殊である)
  • ④「ハラル認証あっても輸出できないケース」もある。ハラル認証ありきで考えないこと。輸出先のルールを良く調べることが大切。ハラル認証だけでは答えにならない。ただ、マレーシア・インドネシアは、特殊でハラル認証は要求される確率が高い。

8.今後のハラルビジネスへのヒント

  • ①2020年に向け、インバウンドビジネスの売り場は、スーパーではなく業務用スーパー、レストラン、商業施設、ホテル、ネット通販である。ハラル認証にあまり頼らないで売ることを考えること。(お土産、業務用等)
  • ②2020年以降に向け、インバウンド・アウトバウンドの重要イベント
    1)東京オリンピックで多くの外国人が訪日する。
    2)ドバイで万博が開催される(2020年)
    3)サッカーのワールドカップがカタールで開催される(2022年)
    *アウトバウンド・インバウンドの今後のシナリオを考えることが大切
  • ③魚関連の業者へ(インバウンドについて)
    イスラム教徒だけでなく、中国・韓国・台湾の訪日客がいるので、イスラム教徒だけ狙うのは難しい。ただ現在、インバウンドのイスラム教徒の特徴としては、寛容な人が多いこと。宗教に寛容な人・柔軟な人が訪日し、日本の味を楽しみたい人たちが来日しているので、調理法方法等工夫して食べてもらうことが大切。
  • ④「ハラルを勉強してやれることからやる」
    情報開示、メニュー、情報発信、バイヤーと商談等

第2部「先行企業・バイヤーに聞くムスリム市場開拓のカギ」

司会
一般社団法人ハラル・ジャパン協会
調査担当 中川圭吾氏
(復興水産販路回復アドバイザー)
パネラー
一般社団法人ハラル・ジャパン協会
代表理事 佐久間朋宏氏(復興水産販路回復アドバイザー)
株式会社山徳平塚水産 代表取締役 平塚隆一郎氏
株式会社ASLINK   代表取締役 モハマド・シャーミン氏

左から、中川氏、佐久間氏

左から、シャーミン氏、平塚氏

1.ハラルビジネスとの係わりについて

シャーミン氏:昭和63年に日本に来ました。「ハラルレストラン」を東京・千葉で開業。
9月より上智大学で180席のハラルレストランをオープンする予定です。貿易事業もやっていて、日本の緑茶をアブダビのフードショウに出展し、ファイナリストの賞をとりました。又、タイに会社を創りハラルチキンを輸入することを考えています。

平塚氏:石巻でハラル対応を1社でやっているわけでなく、石巻元気復興センターというグループを作り、地域の企業が参加しチームで進めている。なぜ「ハラル」をやるかと言うと、被災し皆体力がない状況で、震災前と同じにスーパーマーケットに、大量販売していると、ますます体力不足となる。そこで、新しくて、価格競争のない分野の1つとしてハラルの分野を考え、ノンアニマル・ノンアルコールフードに取組んだ。例えば「サバだしラーメン」です。


石巻元気復興センター「サバだしラーメン」

平塚氏:「サバだしラーメン」を開発した経緯は、ノンアルコールの麺は冷凍する必要があるが、冷凍設備を水産加工業者は持っているので、活用できる。将来、今回開発した商品をインドネシアに輸出する場合は、インドネシアのハラル認証を取得するつもり。

佐久間氏:食品は原材料の明示が大切、これはノンアニマル・ノンアルコールフードであり、ムスリム向けと同時にアニマルフリーであり、同時に魚を食べることのできるベジタリアン向けでもある。

中川氏:輸出上の注意点はありますか。

佐久間氏:輸出を狙った国がどこか、厳格なハラル認証が必要なマレーシア・インドネシアを除けば、成分が表示されているので、ハラル認証が無くてもこのままでいけるのでは。ハラル認証無くてタイ等へ今のままで販売しその実績で、インドネシアにチャレンジするのが東南アジアについては、いいと思います。

2.ハラル商品開発で重要なことー味付け・価格

中川氏:シャーミンさん、レストランで使う立場では、商品についていかがですか。

シャーミン氏:実際にハラルの商品は、値段が高いのが相場で売れ行きが良くない。
そのへんを工夫してもらえば、ハラルは普及される。高いと普及しない。ムスリムとして魚へのリクエストは、味付けに「味りん」を入れていると困る。蒲鉾などは、味りんを入れないで、はちみつやスパイスなど入れると、皆食べると思います。

佐久間氏:魚製品としては、アルコール(酒・味りん)を除いて美味しいものを開発することが大切。中途半端な味でなく、ものすごく辛いもの・甘いもの、両極端からチューニングしていったらどうでしょうか。

3.ハラル商品開発で重要なことー試食会、輸出先など

平塚氏:大塚マスジド(モスク)で、石巻の製品の試食会を開催した。事前に成分等の商品案内をして30名のムスリムの方に試食してもらった。味は調整せず、そのままで出したが好評でした。

佐久間氏:食品は味の調査が大切です。ハラル食なら、例えば、来日して日の浅い留学生を対象に試食会をして意見を聞く。又、サンプルを海外に送り、アンケート調査する等。ハラル商品の開発に当たっては、バイヤーとよく相談して商品開発すると、売れる確率が高い。バイヤーはハラルの知識が少ないこともあるので、バイヤーとメーカーがよく話し合い一緒に作ってくことが大切。

シャーミン氏:中近東と東南アジアは違う。税金も違うし、所得も違う。又、水産加工品についても味付けが、中近東と東南アジアは違う。中近東はスパイシーな味付けが好まれる。「さつまあげ」「練り物」人気がある

中川氏:魚加工品として、ハラル認証商品が売れているものを例示します。

  • ・鯵餡餃子(吉村商店)
    ギョーザの皮に、アジのたたきを入れたものであり、インドネシア、マレーシアに輸出している。一方国内では、成城石井等にヘルシー餃子として売っている、ハラルだけでなく二刀流が大切。
  • ・魚肉ソーセージ(林兼産業)
    マレーシアの工場で作り東南アジアに販売している。魚肉ソーセージは、昔にヒットした商品を一工夫してハラル食品となる。

鯵餡餃子(ハラル認証商品)

魚肉ソーセージOMAKANE(ハラル認証商品)

セミナーレポート③「魚と放射能」―水産物の放射能調査について理解を深めるために―

平成28年8月19日に第18回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」にて「東日本大震災から5年間の放射能調査結果と基準値や放射線リスク等の説明を通じて、水産物の放射能汚染について理解を深めること」を目的に、水産庁主催のセミナーが開催されました。

講師
水産庁研究指導課
農学博士 藤本 賢 氏

■ 説明のポイント

本セミナーでは、放射能調査について資料を基に説明いたしますが、特に次の2点を 目的としています。

  • ①基準値(100Bq/kg)の設定は、どういうことを意味しているのか。
  • ②放射線のリスクを正しく理解するにはどうしたらいいか。

1.平成28年6月末までの調査結果の紹介

  • 1)福島県の海面では、平成23年4-6月期には100Bq/kgを超える割合が57%となっていたが、平成26年4-6月期には1%まで低下、平成27年4月以降、基準値を超えた例はない。 (他県でもH26年9月以降越えた例はない)
  • 2)平成28年6月までに、全国で93,119検体のサンプリングを実施。そのうち96.8%が基準値以下。(福島県の基準値以上のものには、事故直後の検査に高いものが含まれている。)

2.魚種ごとの放射性セシウム濃度の減少傾向

魚種別にみても放射性セシウムは減少傾向にある。水産物中の放射性セシウム濃度は着実に低下していることが確認されている。

3.魚の放射性セシウム取り込み経路

  • 1)魚の放射性セシウムの取り込み経路は、海水と餌が考えられるが、現在では海水も餌もセシウム濃度は低下しており、新たに魚が汚染される可能性は低い。
  • 2)海底土の放射性セシウムは魚に移行しにくい。
    ・福島県及び隣接県沿岸の海水・海底土中の放射性セシウム濃度は低下。
    ・海底土中の放射性セシウムは、魚が取り込んで吸収しにくい形態となってきて いる。

4.水産物の放射性物質モニタリング体制について

1)国内の水産物は適切なモニタリング体制が整備されており、市場に流通する水産物の安全性を確保している。

水産物の放射性物質調査

  • ・調査にあたっては、主要生産品目及び前年度に50Bq/kg超となった品目 を調査。又、表層、中層、底層といった生息域、漁期、近隣県の調査結果等 を考慮。
  • ・基準値に近い値が出た時や近隣県で高い値が出た時には、調査を強化。

基準値を超えた際の対応

  • ・調査結果を踏まえ、各自治体による自主的な出荷自粛や、原子力災害対策
    本部長(内閣総理大臣)指示による出荷制限を実施。
  • ・食品衛生法に基づき、基準値を超えた同一ロットの食品を回収。

5.基準値(100Bq/kg)が意味しているもの

食品の放射性物質の基準値は、「仮に国内で生産された食品のすべてが基準値(一般食品は100 Bq/kg、牛乳および乳幼児食品は50 Bq/kg)の放射性物質を含んでいて、それを1年間食べ続けても健康への影響がないと見込まれる値」を基に定められている。

6.放射線によるリスクを正しく理解するために

まとめ

  • ・国内の水産物は適切なモニタリング体制が整備されており、市場に流通する水産物の安全性を確保している。
  • ・現在では、海水の放射性セシウム濃度は下がり、海底土の汚染は直接・間接的に魚へは移行しにくいため、海産生物が基準値をこえるような新たな汚染が生じる可能性は極めて低い。
  • ・食品の放射性物質の基準値は、「仮に国内で生産された食品のすべてが基準値の放射性物質を含んでいて、それを1年間食べ続けても健康への影響がないと見込まれる値」を基に定められている。

セミナーレポート④復興水産加工業販路回復促進事業の概要並びに支援事業の取組事例紹介

平成28年8月19日に第18回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」にて「復興水産加工業販路回復促進事業の概要並びに支援事業の取組事例紹介」というテーマでセミナーが行われました。被災地の水産加工業者やアドバイザーから販路回復・開拓に向けた取組の紹介を行っていただきました。

■ 復興水産加工業販路回復促進事業の概要

講師
代表機関 全国水産加工業協同組合連合会
参事 佐々木 康弘 氏

佐々木氏より平成27年度復興水産加工業販路回復促進事業の取組内容について説明があった。 概要についてはこちらを参照ください。

■ アドバイザーから見た企業の状況

講師
株式会社プロスパー
代表取締役 鈴木 裕己 氏

鈴木氏は愛知県で低・未利用魚を全国の飲食店等に流通させる取り組みを行っている。
売れないものを売るプロが復興水産販路回復アドバイザーとして被災地の加工屋さんに出向いた際に感じたこと、それは「やる気」が成功の分かれ道ということだ。正直なところ「こんな程度の売りにくさくらいでなぜ諦めるのだろう」と思うこともあったそうだ。
売れないのは必ず理由がある。風評?それとも販売力?それらを見極めながらの加工業者と商品開発を行っていった。
多くの企業は目の前の資源に気づいていないことが多い。また歴史がある企業であるからこそ、「ずっと売り続けられる」という自信があり、営業力が衰えてしまっていることもよくあるそう。

鈴木氏は「鴨安商店」のアドバイザーを務めていました。
その活動については後述する鴨安商店の改善への取組の紹介をご覧ください。

■ 鴨安商店 改善への取組

講師
株式会社鴨安商店
代表取締役社長 鴨川 安男 氏

鴨安商店は茨城県神栖市で明治15年より創業している老舗水産加工品製造業者。
主力商品である桜干(いわしみりん干)は、天皇杯を受章しているほど商品には自信がある。
しかしながら震災による原発の風評被害でかなりの打撃を受けた。また、12名いた中国人の実習生も逃げるように母国へ帰ってしまった。また、団塊の世代の退職も重なり人数が激減。生産ラインが半分になってしまった箇所もあった。
さらに、地の魚を使うという会社のウリだったことが、逆に仇となってしまい、工場によっては売り上げが震災前に比べ大幅に低下。
このままではいけないと「復興水産加工業販路回復促進事業」を利用し、販路回復に向けての取り組みを開始した。


これらの取組みの結果、営業が営業として機能しはじめ、市場を通さず直接アプローチするという新しい切り口による販路開拓が出来た。そして、グループチャットを使って改善点等について写真をアップしながら気軽にみんなで共有・議論できるようになった。
また、機器導入そのものの効果はもちろん、導入の前後には、必然的にもう一度自分たちの工場のことを皆でよく考え、見直すこととなり、これをきっかけとして社内のまとまりが以前より強くなった。

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