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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第87回茨城県株式会社樫寅

高温スチームが可能にした高品質な商品をもっともっと広めたい

樫寅の創業は明治20年代。創業当時は、那珂湊港でとれた魚の加工や、廻船問屋の仕事などを生業としていました。その後、那珂湊港の水揚げが伸び悩んだ時期に、輸入原料を加工する仕事に方針転換。現在は、蒸しタコを主力製品として製造しています。

株式会社樫寅 代表取締役 樫村 喜之氏

▲ 株式会社樫寅 代表取締役 樫村 喜之氏

「創業時は、前浜のさんま、いわしなどを扱っていたと聞きます。廻船問屋の仕事の後、輸入したシシャモの加工や、びんちょうまぐろの輸出などをしていた時期もあり、蒸しタコに行きついたのは自分が小学生くらいの頃でした。今は蒸しタコが中心で、他に蒸しエビやイカ、カニなども扱っています」
(株式会社樫寅 代表取締役 樫村 喜之氏。以下「樫村社長」という。)

樫寅の蒸しタコには、製造過程に強いこだわりがあります。そのこだわりの1つが、タコの加工で酸化防止のために用いられることが多い亜硫酸塩やミョウバンなどの添加物を極力抑えること。添加物を抑えると、色の劣化などはどうしても進みやすくなりますが、それでも味へのこだわりを優先させているのです。

「添加物を使うとキレイな色は出にくくなりますが、やはり添加物は使わない方がタコ本来の味がダイレクトに出て、絶対に美味しい。ミョウバンはタコの加工には必須という認識だったので、開発する前は絶対に無理だと思っていたのですが、2年かけて抜けるようになりました。その方法は一緒に開発をしてくれた会社が特許をとりました」(樫村社長)

もう1つのこだわりが、高温の蒸し器の導入。通常の蒸し器では、水を沸騰させた蒸気で蒸しますが、樫寅のスチーマーは蒸気を集積してボイラーの電気で再加熱したもので蒸し上げます。通常の蒸気よりも温度の高い完全な気体にすることで、蒸し器内部の圧力が高まり、ほぼ無酸素の状態で蒸すことが可能になるのだそうです。

▲ 常務取締役 樫村 穣氏

▲ 常務取締役 樫村 穣氏

樫村 喜之氏のご子息で、常務取締役の樫村 穣氏(以下「樫村常務」という。)は次のように説明します。
「普通の水蒸気は白っぽい湯気のような見た目ですが、ウチのスチーマーでは、もっと高温になるので完全にクリアな気体になります。無酸素に近い状態なので、表面に一気に火を入れ、その後、中をじっくり蒸せるのでジューシーになりますし、色の定着も普通の蒸し器より優れています。酸化を防げるこの蒸し器があるからこそ、酸化防止剤を抜くことも出来るのです」
(樫村常務)

北海道産の北海タコは特に甘味が強く、ジューシー

▲ 北海道産の北海タコは特に甘味が強く、ジューシー

実際に、出来たばかりの製品を試食させていただいたら、後味までえぐみがなく、強い甘味や旨味を感じることができました。本来、タコは旨味がそれほど強くないので、ジューシーさや旨味がここまで残るのは高温の蒸し器ならでは、なのだそう。また塩もみなどの下処理をしっかりしているため、噛み切れないことが多い北海道産の水タコも非常に柔らかく、楽に噛み切れ、美味しくいただけました。

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