販路回復 ・ 助成事業 ・ アドバイザーについて、
まずはお気軽にご相談ください
ご相談のお申し込みはこちら
コラム復興水産販路回復アドバイザーコラム

第22回復興支援をお手伝いして

石黒 美江 氏
今回コラムを書いていただいた方

食育キッチンISHIGURO 主宰

石黒 美江

専門分野

  • 販路拡大
  • 商品開発
  • 小売販売

「消滅可能性都市は東北に多い」、私にはとてもショッキングな言葉でした。

「消滅可能性都市」とは、2014年「日本創成会議※」による増田リポートから出た言葉で、出生率の低い東京圏に20~39歳の女性が流入する現状を放置すると、日本全体の出生率も下がり、人口減に拍車がかかる。40年には全国の市区町村の3割が1万人未満となり、消滅の可能性が高いとされたもの。総務省の調査によれば2010年から2022年までの間に岩手県と福島県では10%、宮城県では3%減っているのだとか。

※東日本大震災からの復興を東北地方創成とし、それを日本創成の契機にしたいとして発足された会議。

震災で心痛む被害にあった東北各地。でもそこに住み続けたいと思う人も多い。若い世代が住み続けられる街にするために足りないと思うものとして一番に上げられたのは仕事や産業(NHK調査他)。やはり人口減少を遅らせるためには、産業の振興しかないと私は思いました。

私は京都生まれの京都育ち、生家である伏見区のお店で京都の家庭料理「おばんざい」の調理・販売を行ってきました。現在は同所でおばんざい教室を開催し、添加物を使わない安心して食べられるおばんざいの提供と普及を行っています。

そんな私にできることは、地域の食材を生かし、皆様と一緒に考え、加工し、美味しいものを作り出すことだと考えています。そしてそれが広まり地域の産業として根付くお手伝いをしたいと思っています。

これまで商品開発のお手伝いをしてきて感じたのは、生まれてからずっと住み地続けている地元の良さは案外見つけにくいということ。他の地域の人達から様々な意見をもらうことも大事だと思っています。違う目線から見てもらうことで、有用な食材や調理法や組み合わせなどがおもしろい発見があるものです。

また、味付けにはマーケットインの発想が必要です。旨味と色を重視する関西では、一般に色の黒い、塩味の強い東北地方の食品はなかなか受け入れがたいように思います。特に煮魚などは顕著に違うと私は感じています。地域の伝統や文化で差別化を図るのは良いことなのですが、市場ニーズに合わせていくことも大切です。

そして当たり前ですが、良い商品が完成しても勝手に売れるわけではないので、商品の良さをしっかりとアピールしていかなくてはなりません。

例えば商談会では、一目でわかる会社の特徴を表現する(背景の垂れ幕・ポスターなど)、訴求商品を明確化する(垂れ幕・ポスターなど)、多段陳列をする(高さで見せる)など展示方法を工夫されると良いと思います。

これだけでも、会社や商品に対する印象を強くでき、お客様を引き付ける力となります。それから、試食はとても大事なので積極的に行うことが必要であり、試食タイムを決めて、3問くらいの簡単なアンケートを取っても良いと思います。

以上簡単ではありますが、商品開発を通じた復興支援で感じたことをお話させていただきました。

復興への道のりはこの先も長く続くものですし、社会情勢もめまぐるしく変わる中、新たに追加される課題にも対応していかなくてはいけません。私たちアドバイザーも事業者の皆さんに寄り添いながら、これからもより良い商品作りのお手伝いができればうれしいと思っております。