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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第140回千葉県丸仙水産石田商店

鮮度にこだわるからこそ、
美味しくて見た目もきれいな製品ができる

丸仙水産石田商店は、現在、社長を務める石田憲治さんの父である晴司さんによって、昭和40年に九十九里浜にほど近い匝瑳市で創業されました。最初はカタクチイワシの煮干しを製造していましたが、当時、近隣で毎日2,000~3,000tものマイワシが水揚げされていたため、その後は主力をイワシの丸干しに切り替え、以来、50年以上丸干しを作り続けています。

▲ 丸仙水産石田商店 社長 石田憲治さん

「煮干しは10~12月の3か月しか仕事ができません。なぜかというと、それ以外の時期のカタクチイワシは脂が乗りすぎていい煮干しができないんです。その点、マイワシは、当時1年のうち9か月くらい毎日のように揚がっていたので、これを原料として使う丸干しイワシであれば、煮干しよりも長い期間、仕事ができます。そこで丸干し製造に切り替えることにしました」(丸仙水産石田商店 社長 石田憲治さん、以下憲治さん)

憲治さんは高校を卒業してすぐに家業を継いだそうです。その間、一貫して丸干しの製造を続けていますが、その製法にはいろいろな変化がありました。

例えば以前は天日干しで製造していましたが、衛生上の観点から20年以上前に完全密閉した工場内での冷風乾燥に切り変えました。また時代の変化にあわせて、塩の分量も減らしています。

「本当は塩が多い方がきれいにできるんですよ。イワシは弱い魚なので、塩を多く使った方がきれいに固まって傷みにくいから。でも、今の時代は、健康を気にする人も多いので、なるべく塩分を控えて甘めに作っています。毎日、製品の味をチェックしているので味には自信があります。自分で言うのもなんだけど、美味しいですよ」(憲治さん)

一方、創業時から変わっていないものもあります。それは鮮度に対するこだわり。
憲治さんは入社した当初から買い付けの際は「一番鮮度が良く、一番高いものを買ってこい」と父親に教えられていたそうです。以来ずっと「一番高いものを真っ先に買う」ことを続けています。製造段階においても、少しでも傷がついている原料ははじいて、きれいな魚だけで製品を作っています。

▲ イワシの丸干し。上が合格品で下がはじかれたもの。
納得のいく製品づくりのため、わずかな傷も妥協しない。

「トラックいっぱいに一番良い原料を買ったら、鮮度の落ちるものを買うより10~15万円は高くつきますよ。でも鮮度が悪いと結局ロスがたくさん出るし、一番鮮度が良い脂の乗っているイワシは、やっぱり甘くて美味しいんですよ」(憲治さん)

▲ 良い製品づくりのため、必ず一番いい原料を仕入れる

そうやって製造したイワシの丸干しは好評を博し、震災の前までは15人の社員総出で作業しても「作っても作っても間に合わない」くらいの勢いで売れていたのだそう。

しかし、その流れを変えてしまったのが震災でした。

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