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コラム復興水産販路回復アドバイザーコラム

第7回自らの商品はどちらのお客様にフィットするの?

濱田 利幸 氏
今回コラムを書いていただいた方

6次産業化プラン ナー(中央サポートセンター)
農林水産加工品アドバイザー(石川県)

濱田 利幸

専門分野

  • 販路拡大
  • 商品開発
  • 流通
  • 小売販売

私が復興水産販路回復アドバイザーの任を受け、大船渡、気仙沼、八戸など三陸各地の水産加工メーカーを訪れた中で改めて感じたことは、東日本大震災や地球規模の環境変化による漁獲高の減少も、ずっと以前から決まっていたことのように淡々と前向きに向き合う姿勢のひたむきさです。三陸の海の豊かさと歴史、その恵みに支えられた人々の愚直なまでの生き方や思いは、今、消費者が求める価値と一致しているのではないでしょうか。

生産現場の変化と同様に、消費現場の事情(ライフスタイル)も変わって来ています。
流通の役割は、この二つの変化軸のうち、互いにフィットする部分を捉えて、効率的に紐つけすることだと思います。
一部の生産・流通の現場では、原産地を偽装してまでの生産や、誇大表現、誤認表現が多くなっていますが、一方で、消費者行動は、身近に見て安心できる農産物直売場や道の駅、体験型農業観光など「肌で感じる」食体験が人気です。このような状況をみると、三陸のような地元産地に根付いた生産と「産地」に近づきたい消費者はもっとストレートにつながってもよいのではないでしょうか。
生産者は、価値の源泉となる「商品のこだわり」がどのライフスタイルのお客様(お店)に共感して購入していただけるかに的を絞って販路を探し出せたらよいと思います。

このような努力を行っている企業として、以下の企業の事例をご紹介いたします。
青森県八戸市の老舗、ヤイチさんです。「いわしマリネ」が看板商品で、社長は三浦泰子さんです。保母さんの経歴の持ち主で、「子供に安心して食べさせることができる」がモットーです。女性10名ほどの熟練手作業で、原料原産地にこだわり、添加物は極力使用せず、素材は歩留まりが悪くとも厳しい基準で選別加工しています。これらは大企業にはできない「強み」です。

岩手県大船渡市に「岩手わかめ」のコタニさんがあります。小谷社長は、東京にある事務所をベースに、消費の現場を業態別、地区別、個々の企業、並びに各店舗の特徴など「店舗性格」の調査を行っています。  
これは自らの「こだわりわかめ」の商品価値が最大限に発揮できる販路探しのためです。そのための営業方法・ツールも工夫し、自らが「消費者ニーズ」に合わせる努力をしています。
三浦社長も、小谷社長も目指す消費者像がはっきりしてるということが共通しています。
それぞれの強みが発揮できるマーケットに向けて、私が手助けできることは、営業のアプローチ方法をアドバイスすることと、人と人とのつながりの面からサポートすることだと思います。
もし、自社商品の販路開拓にお悩みでしたらぜひ「復興水産販路回復アドバイザー」にご相談ください。

ヤイチのみなさん

素材のこだわりが信頼の証いわしマリネ

コタニの早採りカットわかめ

※インタビューの内容および取材対象者の所属・役職等は記事公開当時のものです。