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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

「弱い魚」と書くイワシの加工は難しい

イワシに情熱を注ぐようになった鴨川さんは、「イワシを一生懸命やろうとするのは変わり者ですよ」と言いますが、そのくらい、イワシで商売をしていくことは苦労の連続のようです。

「マイワシの漁期は入梅頃の6~7月と冬期の12~2月、大きくこの2シーズンのみです。魚へんに『弱い』と書いてイワシ(鰯)と読むように、イワシという魚は肉質がとても弱いので加工が難しい。魚は年中海にいても、この2シーズン以外は肉質が加工向きではありません。買い付けの時には、脂ののり具合もよく見る必要があります。脂が多いと酸化が進みやすくイワシ独特の臭みが増してしまうので、カタクチイワシのさくらぼしのように、反対に無脂の原料を必要とする場合は、原料がないからといって無理をしてまでは買いません。さくらぼしの原料として気に入ったカタクチイワシを買うことができるのは、年に2~3回といったところです。」

通常の魚であれば、大量に仕入れた後に一旦冷凍保存しておいて、その日加工する分だけを取り出して解凍する、といったことも可能です。しかしイワシの肉質は冷凍保存が難しく、鴨安商店では特殊な方法で保存をしているといいます。

▲「開きいわし」

▲「開きいわし」

イワシを商売にすることの難しさは、仕入れや加工、鮮度管理だけでなく、売ることにもあります。

「イワシというのは安い魚なので、処理トン数をこなさないとなかなか利益が出ません。しかしうちはそういう規模の会社ではないので、常にひと工夫が欠かせません。代々伝わる伝統のタレを使った桜干には百年のお客さまがいらっしゃいますが、それだけでなく、食生活の変化に合わせた新商品の開発も並行していく必要があります。」

▲「いわしレモンじめ」(中段)ほか

▲「いわしレモンじめ」(中段)ほか

当初は売り上げがなかなか伸びずに苦戦していましたが、鴨川さんが従業員と開発した「いわしレモンじめ」はマイワシを生に近い触感で味わえることで評判となり、レストランなどでカルパッチョとしても使われるようになりました。また、大手回転寿司チェーンでイワシが人気の寿司ダネとして定番メニューになったことも、事業の安定化につながっていきました。

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