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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

海に近いからこそあった津波への危機感

収容能力8000トンを超える冷蔵庫を持つ盛信冷凍庫は、漁港のある石巻では最大規模を誇る冷凍冷蔵業者です。少人数でも大量の魚をスピーディーに搬送しなければならないため、工場内はオートメーション化が進んでいます。

  • ▲ マイナス40度の超低温冷蔵システムを持つ巨大な立体冷蔵庫

    ▲ マイナス40度の超低温冷蔵システムを持つ
    巨大な立体冷蔵庫

  • ▲ ダンボールの自動供給ロボット

    ▲ ダンボールの自動供給ロボット

  • ▲ パレットを自動で積んでくれる装置

    ▲ パレットを自動で積んでくれる装置

  • ▲ 不漁のスルメイカだが冷凍庫には在庫がまだあり、一次加工して出荷している

    ▲ 不漁のスルメイカだが冷凍庫には在庫がまだあり、
    一次加工して出荷している

今でこそ立派な設備が整っていますが、震災から現在に至るまでには多くの苦労がありました。臼井さんは震災当日の様子をこう振り返ります。

「これまでに体験したことのない大きな揺れで、建物が潰れるんじゃないかと思うほどでした。建物内にいるのも危険だし、津波が来るかもしれないと思って、揺れが収まって10分後には従業員に避難するよう指示しました。工場を開けっ放しにしたまま、私も数名を車に乗せて高台の自宅に避難しました」

漁港から50メートルほどの場所にある盛信冷凍庫には、7メートルの津波が押し寄せました。津波による多くの犠牲者が出た石巻市内ですが、海にほど近いこの地区にいた人たちには津波のイメージがあったため避難は早かったようです。犠牲者が多かったのは、漁港から400メートルほど離れた県道240号線をまたいだ北側の地区だと言われています。海からは少し離れているため、「まさかここまでは来ないだろう」と思っていた人も多かったようです。

▲ 工場2階の窓にある青い標識は津波の高さを示している

▲ 工場2階の窓にある青い標識は津波の高さを示している

津波による被害に見舞われた盛信冷凍庫の建物ですが、基礎がしっかりしていたため建て替えが必要になったのは事務所棟だけでした。しかし1階にあった機械はすべて使えなくなってしまいました。

「2日後くらいに工場に戻ってみると、1階はメチャクチャで仕事なんかできる状態ではありませんでした。機械だけでなく、4000トンの原料、金額にして7億円の被害がありました。
3月末までは自分が飲み食いするだけでも大変だったので、片付けをしようと思ったのは4月に入ってからです。従業員と一緒に片付けを始めて、結局それに2カ月かかりました。7月には市場も再開しましたが、魚がないので従業員には自宅待機という形を取ってもらいました」

臼井さんが工場に必要な機械を発注したのは、震災の年の年末のことです。それまではしばらく、津波のことで気分が滅入っていたといいます。

「街も何もかもメチャクチャだった。私たちは国から補助金を受けて何とか再開できましたが、この辺りでもいくつかの製氷メーカーや水産加工業者が廃業しました。もし補助金がなければ、うちも含めて9割の会社は廃業していたと思います」

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