復興水産加工業 販路回復推進センター

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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

もともとあった高度な設備を、補助事業でよりグレードアップさせた

ハード面では復興を果たした大興水産ですが、業績の回復は道半ばです。以前の事業を回復させること、原発の風評被害を払拭することに手一杯で「海水温度の上昇が読めなかったことが原因」と大塚社長は語ります。海の変化によって、それまでと漁獲のパターンが変わってしまったのです。

「サバの水揚げが年明けにずれ込んだり、サンマ、イワシが北海道沖に流れてまったく水揚げがなかったり。サケも回帰率が悪い、イカもとれない、という状況で本来扱わない魚種でも扱わざるを得なくなりました。仕事の効率も悪くなるし、同業他社もそれまで扱っていない魚に手を出してくるので相場も高騰して、経営が厳しくなりました(大塚さん)」

そこで大興水産が支援事業により導入したのがポリサーターコンベアライン。もともと高度に機械化された設備を誇っていましたが、以前は製造ラインに対し箱供給のラインが不足していたため、箱供給ラインにスムーズに製品が供給できないことが多かったのだそうです。特に漁獲量や、魚種に変化が出てからは「何が揚がるか当日になるまでわからない」ので、打つ手がなかったそうです。

  • ▲ 一番奥が、今回増設したポリサーターコンベアライン

    ▲ 一番奥が、今回増設したポリサーターコンベアライン

  • ▲ 振動で魚の大きさを選別し、全自動で箱詰め。取引先が使いたい大きさの商品だけを出荷できるため、付加価値が生まれる

    ▲ 振動で魚の大きさを選別し、全自動で箱詰め。取引先が使いたい大きさの商品だけを出荷できるため、付加価値が生まれる

  • ▲ 水産業界の中でも画期的な「自動化」を実現していたが、以前は箱詰めだけ手作業になることもあった

    ▲ 水産業界の中でも画期的な「自動化」を実現していたが、以前は箱詰めだけ手作業になることもあった

  • ▲「昔は3Kと言われた仕事だが、自分達の仕事は肉体労働ではなく、緻密な計算。今までの漁業のイメージを変えたい」と語る工場長

    ▲「昔は3Kと言われた仕事だが、自分達の仕事は肉体労働ではなく、緻密な計算。今までの漁業のイメージを変えたい」と語る工場長

コンベアラインの導入により、処理時間も短縮され、生産は1日あたり50トン増加しました。また震災後、新たなラインの導入によって、省人化も可能になったそうです。

水産業は「自然相手の仕事」。漁獲の状況が安定しない以上、製造ラインが整ってもすぐに回復とはいかないかもしれません。今後も「海の状態の把握や、コストダウンなどやらなければいけないことは多い」と危機感の強い大塚社長。ただし「社員に負担を強いることだけはしない」と決めているそうです。実際に、震災の時も「解雇はしない」という方針を早くから明確にし、それが社員の安心にも繋がりました。

「役員は責任ある立場なので、利益が出なければ報酬減もやむをえない。でも、社員の給与を1円でも下げたら、社員は皆不安を感じます。社員は一緒の船に乗ってはいるけれど、舵をとっているわけではない。舵をとる船頭がろくでもなかったら“この船に乗る価値はない”と見切りをつけて当然です。だから経営者は自分のことは度外視してでも、皆のために何が出来るかを常に考えなければならない。借金しても、自分が棺桶まで持って行けばそれでいいんです(大塚さん)」

どんな状況にあっても、社員のため、そして地域のため。まさに「社会の公器」として会社を守る大塚社長がいる限り、大興水産は、更なる発展をしていくことでしょう。

株式会社ヤマヨ

大興水産株式会社〒986-8540 宮城県石巻市魚町2丁目6-8
自社製品:加工用原料(さば、さんま など) webサイトはこちら

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