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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第110回茨城県株式会社かねきう

風評被害で失った販路に代わって、輸出が伸長

売上が順調に推移していた最中に、突如として東日本大震災に見舞われます。しかし当社は、海抜6.6mの高台に建っていることもあり、津波の被害はありませんでした。ただし工場は昭和40年に建てたもの。基礎がコンクリートではなくブロックだったこともあり、土台にひびが入ったそうです。それでも「建物や設備の損壊は大したことなかった」と浩一さんは語ります。

「停電もなかったし、水も地下水が潤沢だったから、仕事はすぐにできる状態だった。しかし仕事をしても、まったく売れなかった。仕事が出来るのに売れないっていうのは、辛かったね。特に関西以西は厳しかった。」(浩一さん)

仕事を始めてから震災の影響がのしかかってきます。そう、厳しかったのは風評被害だったのです。震災を機に他の水産会社を辞め、実家に戻った浩一さんの長男竜也さん(かねきう常務取締役遠藤竜也氏、以下「竜也さん」)も口を揃えます。

	株式会社かねきう 常務取締役 遠藤竜也氏

▲ 株式会社かねきう 常務取締役 遠藤竜也氏

「九州にサンプルを出した時、『味もいいし、値段もちょうどいい。でも茨城のものは買えない』とはっきり言われました。検査結果ももちろん出したけどダメでした。仕事にならないので、従業員にもしばらく休んでもらうしかありませんでした」(竜也さん)

日本国内はもちろん、当時、少しずつ増えていた韓国向けの出荷が全面的にストップしたのも痛手でした。震災当時、風評被害により売り上げは3割近くも減少したのだそうです。
現在、国内の需要は戻ってきましたが、韓国とは今でも取引再開の目途はたっていません。
そこで、新たな販路となったのがアフリカや東南アジア向けの輸出。国内では需要が少ない小型のサバが求められているのだそうです。

「国内では大型のサバは鮮魚需要が多いのですが、東南アジアは100~200gくらいの小型のサバを好みます。あちらは家族の人数が多くて、大型のサバだと分ける時に頭としっぽで不公平だから、1人1尾ずつ分けられる小型のサバを好む人が多いそうです。アフリカでは現地で燻蒸処理をしてから流通させて、家庭でスープなどに使っていますね」(竜也さん)

ちょうどノルウェーで小型サバが少なくなってきたこともあり、ここ数年は、特にアフリカ向けの輸出が急激に伸び、東南アジアにまで回らないほど。そのおかげで売上に占める輸出用の冷凍加工品の割合も、震災前に比べ1~2割増えたのだそうです。

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