復興水産加工業 販路回復推進センター

 

販路回復・助成事業・アドバイザー 相談の申し込み

企業紹介企業紹介

企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

地域の方の「ありがとう」の言葉を聞いて「笹かまぼこの文化を未来につなげよう」と考える

2011年3月11日、東日本大震災が発生。本社工場、笹かま館、沿岸部の店舗が被災します。嘉藤さんが「会社がなくなってしまうのでは」と思ったほど、その被害は甚大でした。実は、嘉藤さんは、震災が起こる2週間前に取締役営業本部長への就任を打診されていました。それまで商品企画や販売促進は担当していましたが営業は未経験だったため、「自分にできるわけない」と返事を保留していたところで起きた未曾有の大災害でした。

「もう役員を引き受けるかどうかなんて、悩んでいる場合ではなくて、どうやって会社を明日につなげるか。それだけを考えて、走り続けました」(嘉藤さん)

全従業員が一丸となって復旧作業にあたり、同年3月28日には製造を再開。
焼きあがった笹かまぼこは、近隣の避難所に届けられました。

本社工場のあるエリアには、仮設住宅が多く建てられていました。製造再開後は、その住人の方々が、力を貸してくれた全国の方々へのお礼や、親戚、知人へ送る“元気にしています”という便りに添える品として、鐘崎の笹かまぼこを買いに来てくれました。

「『笹かまぼこをまた作ってくれてありがとう』、『ありがとう』と、本当にたくさんの方に言っていただいたんです。お礼を言いたいのは私たちの方なのに。笹かまぼこはこの土地の方々に愛されてきた大切な文化、ここに住む方の思いを届けるためにあるんだと実感しました。自分たちのためや、会社のためではなくて、地域の方々のために笹かまぼこの文化を未来につなげよう、そのためにもう一度立ち上がらなければと思いました」(嘉藤さん)

同時に、先代から続く“無添加でもおいしい笹かまぼこ”という命題にも継続して取り組みました。
1994年に発売した看板商品である笹かまぼこ・「大漁旗」の化学調味料を抜くことに挑戦、化学調味料を加えるよりも、抜くことでさらに深みのあるおいしさを実現するため、試行錯誤を重ねた結果、ふたつの特別な調味料にたどり着きます。一つ目は高級魚・吉次をすり身にしたあとのアラを使った魚醤、そして2つ目は、石巻万石浦の海水で仕込んだ「伊達の旨塩」。どちらも地元の職人に依頼して開発した独自の調味料です。

こうして震災から約3年後の2014年3月、保存料、化学調味料、卵白、でんぷんすべて無添加となった現在の笹かまぼこ「大漁旗」が完成。さらに、2016年にはすべての笹かまぼこ製品を化学調味料無添加としました。

鐘崎の看板商品「大漁旗」。高級魚吉次のすり身、独自に開発した調味料など素材に徹底的にこだわった逸品

▲ 鐘崎の看板商品「大漁旗」。高級魚吉次のすり身、
独自に開発した調味料など素材に徹底的にこだわった逸品

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
TOP