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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

課題を共有して連携。商品づくりと地域づくりをつなげて

近年、これまで主力商品だったサンマの不漁や小型化が続き水揚げ量は減少しています。これまで小型のサンマは、養殖用の餌に加工してきましたが、揚がった資源すべてを活用できるような商品ができないか、と考え生まれたのがサンマのすり身を使った「ポーポー焼き」をはじめとした小名浜の郷土料理の加工商品です。

「揚がった魚をすべて無駄にせず、サンマの味で勝負したい。すり身ならそれができるのではと。地域の食文化を知ってほしいという思いもありました」

さらに取り組んだのが、小名浜港に揚がるサンマ以外の魚種、サバ、イワシなどの活用です。地元ではこれらの魚は旬の季節に限った生食中心の食文化で、消費量も多くありませんでした。

「サバやイワシが小名浜港に揚がっていることも、あまり知られていなかったと思います。水揚げ量を増やすには、まずは地元の人に食べてもらわないと。地元の人のニーズを知らないといけないと思ってマーケティングから取り組みました」

いわき市、小名浜港エリアの水産加工業に携わる人は同じ課題を抱えているはず。そう思った上野臺さんは、自ら地元の水産加工業者に連携を呼びかけました。さらに、いわき市が全国平均よりも脳梗塞、心筋梗塞など成人病の発症率が高いという現状をふまえ、いわき市の高齢者福祉の担当課にも働きかけ、地域の課題を共有します。商品開発のため、量販店のほか、老人介護施設、魚好きが集まる飲食イベントなどで、アンケートを実施、コンサルタントからのアドバイスを受けながら、ニーズの把握に努めました。その結果、魚を食べたくても調理に時間がかけられない、個食ができ、利便性、簡便性の高いものが求められていることがわかったそうです。

「もともと味付けが濃い地域なんです。それが健康リスクをあげている原因のひとつだと。青魚に含まれるDHA・EPAは動脈硬化を防ぎ、成人病リスクを下げると言われています。小名浜港にあがる青魚を使えば、鮮度はよく、輸送コストもかかりません。手軽に食べられるような加工度の高い商品をつくり、魚を食べてもらうことで、地域の人の健康増進にもつなげる。地域も水産業も活性化させることを目指し、プロジェクトを立ち上げました」

あおいちプロジェクトのロゴ
▲ あおいちプロジェクトのロゴ

2018年6月に始動した同プロジェクト。青魚の「あお」、医療・福祉の「い」、地域の「ち」を連動させる=「あおいちプロジェクト」と名付けた取り組みには、上野臺さんが中心になって声がけした地元水産業6社のほか、地元で店舗をもつシェフ、料理家、管理栄養士らが参画、商品・レシピづくりに取り組みます。

青魚が健康増進につながるということを調査するため、医師監修のもとモニターテストも実施しました。これは、30人のモニターを募集し、半年間、週に4食青魚を食べてもらい、中性脂肪や体重の変化を見るというもの。

運動やほかの食事や生活習慣の関連もあるため、青魚の食事が直接関係しているかは実証できませんが、モニターに参加した8割の人に中性脂肪、体重減少が見られたということです。

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