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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第136回千葉県株式会社石橋水産

津波以上に打撃が大きかった風評被害

震災の当日、石橋水産では従業員総出で、「イワシの丸干し」の製造をしていたのだそう。そこに大きな縦揺れ、地響きが起こり、「これは、尋常ではない」と、みんなで近くの広場に避難をしました。その時は、津波が何度も来るとは思わず、保道さんと数名の従業員は、第一波、第二波が過ぎた後、津波で浸水した海沿いの保管冷蔵庫の片づけに向かいました。そこに大きな第三波がやってきました。

▲ 工場の目の前の電柱には「津波注意」の文字

「誰もテレビを見ていなかったので詳しい状況が理解できていませんでした。周囲がみんな逃げているので、従業員を早めに安全な場所に避難させましたが、大きな津波の経験がなかったので、第一波が行ったらもう大丈夫だと思ったんです。海岸沿いで1人を見張りに立てて、リフトが通れるように第一波で被った砂をどけていたら、見張りが大きな声で騒ぎだして。海を見たらまた津波が来たので、慌てて走って逃げました」(保道さん)

結局、海沿いにあった冷蔵庫とリフト2台は塩水に浸かり、使用不可能になりました。幸いにも、高台にあった工場には大きな被害はなく、仕事自体は1か月後に再開できたのだそうです。しかし、その後の業績は伸び悩みました。風評被害の影響を受けたのです。産地証明を出すなど、できる限りの努力はしたものの、売上は半分程度に激減しました。

差別化ポイントとなりうる塩も海水を濃縮して作るためか、魚以上に不安の声が多く寄せられ、震災後1年は販売の中断を余儀なくされました。その間に、塩を作っては検査に出すことを繰り返しまし、一度も規定値を超えることはありませんでしたが、風評被害の払拭は簡単にはいきませんでした。

「震災前から丸干しの売上は右肩下がりではありましたが、風評被害で大きく下がって、半年くらいは全く戻りませんでした。その後も、なかなか回復はしなくて、これでは仕方がないと思って、2015年くらいからサバフィレを始めたり、HACCPを取ったり、新しいことをやり始めました」(保道さん)

サバフィレの製造開始までは比較的スムーズに進みましたが、問題はそのあとでした。社長の保道さん自身が市場に営業へ回りましたが、すでにサバを扱っている業者が多数あったため、新規での参入は簡単にはいきませんでした。

「もともとサバを納めている業者さんはたくさんいるので、ただ買ってくださいと言っても難しいですね。他より値段が安くできるわけでもないし、後発で製造を始めたばかりの自分たちが、何か特別な差別化ポイントを持っているわけでもありません。専門の営業がいるわけではないので、足繁くお願いに回るわけにもいきません。新しいものを売っていくというのは、本当に大変なことでした」(保道さん)

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