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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第170回千葉県有限会社与助丸商店

「今までから、これからへ」。
水産業と市議会議員の、二足のわらじで地場産業を守っていく

房総半島の南端、南房総市の白浜地区。同じ千葉県でも砂浜が続く九十九里とは異なり、沿岸には岩礁域が広がっています。そのため、岩場で獲れる伊勢えび、あわびなどの「磯根資源」が豊富で、春は農業、夏は海に潜って素手で漁を行う半農半漁の「白浜の海女」も有名です。

与助丸商店は、その白浜地区で明治時代に創業されました。もともとは網元として漁業を営んでいましたが、徐々に鮮魚店、卸売りなどの「陸の仕事」も手掛けるようになっていきました。現在の社長である小川伸二さんで、七代目となるのだそうです。

「最初は卸売りで市場に出荷していたのですが、だんだん近隣の旅館やホテルに生鮮の伊勢エビ、アワビなどを納めるようになっていきました。その過程で海外との縁ができ、今度は干しアワビ、干しナマコなどの加工品を作って輸出をするようになりました。自分が入社した時は、加工品の輸出が一番の主力になっていましたね」(有限会社与助丸商店 代表取締役 小川伸二さん、以下「」内同)

有限会社与助丸商店 代表取締役 小川伸二さん
▲ 有限会社与助丸商店 代表取締役 小川伸二さん

実は小川さん、大学を卒業した頃は「敷かれたレールの上をそのまま進む」ことに抵抗感があったそうで、ちょうど就職氷河期の真っただ中だったにも関わらず、「自分が働きたい会社に行きたい」と就職活動戦線を戦い、見事、通信会社の内定を獲得。20代の時は家業とは異なる道を歩んでいました。しかし、やはり「自分が継がねば」と、30歳を機に区切りをつけ、家業に戻ったのだそうです。

「子供の頃から後継者として育てられていたこともあり、いつかは自分が、という気持ちはありました。うちは私が子供の頃から勤めているような職人気質の古参社員も多く、仕事を教えてもらうなら早い方がいいと思って2010年に戻ってきました。その後、2018年に先代が病に倒れ社長を引き継ぐこととなりました」

社長に就任してからは、安定的に商品を供給するため、積極的にデジタル化を推進。原料が「生き物」であるため、以前は在庫という概念が薄かったり、管理がアバウトになりがちだったそうですが、「原料はお金が姿を変えたもの」という意識を社員全員に徹底し、適切かつ正確な在庫管理が行える仕組みを構築しています。

「うちの主力製品である伊勢えびも、アワビも、高級な食材です。こういう高級なものを無理して安く売るのではなく、確かな品質のものを、安定して供給していきたいと思っています。そのためにも定量、定額、規格化を実現することが重要で、在庫管理もそこにつながっていく手段だと思っています」

▲ 与助丸商店自慢の南房総産の海の幸。
伊勢えび(左)は専用の生簀で鮮度が保たれる。アワビ(右)は肉厚で大きいのが特徴。

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