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セミナーレポート 「東北復興水産加工品展示商談会2025」事前セミナー

セミナーレポート③ 生活協同組合に向けた販路開拓へ向けたアドバイス

 令和7年7月31日(仙台市)に、「東北復興水産加工品展示商談会2025」の出展に向けた事前セミナーとして、「生活協同組合に向けた販路開拓へ向けたアドバイス」と題した講演が開催されました。
 本セミナーでは、商品の仕入・開発において生協が重要視している点を紹介しつつ、販路開拓に必要な商品の条件についてご講演いただきました。

講師
コープ東北店舗商品本部
水産部門
土井 健志

生活協同組合/コープ東北サンネット事業連合について

 生活協同組合(以下、生協)は、消費生活協同組合法に基づいて設立されている組織です。一般的な量販店との違いは、消費者自身が出資して組合員になることで、生協店舗および宅配での商品購入、共済や冠婚葬祭などの様々なサービスをご利用いただけます。

 私共、コープ東北サンネット事業連合(以下、コープ東北)は、みやぎ生協をはじめとする東北6県の各会員生協によって構成されており、商品の仕入れなどを集約して行っています。

 東北6県における現在の組合員数は約192万人です。東北の総人口が約820万人なので、4人に1人が生協の組合員と言えます。コープ東北全体の売上高(供給高)は2,767億円(2024年実績)で、そのうち店舗事業での売上が全体の60%を占めております。

 店舗事業における水産部門の売上は店舗事業全体の9%で、宅配事業よりも店舗事業の比率が高い傾向にあります。生協全体の水産部門では、店舗より宅配での売上が高いことから、東北は他の地域と比べると、水産品を店舗で購入する割合が高いということが伺えます。

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扱う商品の特徴

 生協で取り扱うすべての商品は、美味しさと品質の良さを前提条件としておりますが、商品を仕入・開発する際は、これに加えて次の点を強く意識して取り組んでおります。

  • 安全で安心な商品

     安全・安心な商品の選定基準として、主に以下の点を点検しております。
    ①原材料…いつ・どこで・どのように生産されたものか(商品のトレースが可能かどうか)、
    ②添加物…生協独自の基準を満たしているか、
    ③産地・工場…どのような環境(水質)で生産されているか、工場は生協独自の基準を満たしているか、等

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  • 日常的に利用する商品

     生協の組合員は食卓への出現頻度が高い商品を求める傾向にあり、特に日頃からよく食べられているおかずで、できるだけ手間がかからない商品が主力となります。例えば、ご飯にかけるだけで一品となるような「メカブ」や「シラス」は特に人気が高く、NB品からPB化した商品のひとつで、みやぎ生協では、「メカブ」を月間約10万点、「シラス」を月間約7万点売り上げています。

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  • 地場品

     生協では、地場で生産・製造されたものを地場で消費することで消費拡大に繋げることを基本的な考えとしており、コープ東北でも東北の水産加工メーカーであれば、原産地を問わず商品を供給しております。近年は気候変動などの影響で水揚げされる魚種が変化してきており、これまで販売していた魚種を維持することが難しく、環境の変化に対応した新しい魚種の開拓が必要不可欠となっております。

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  • 添加物

     遺伝毒性発がん物質、および生協のリスク評価において、安全性を量的に判断できる科学的根拠が確認できず、また安全性を見込めない食品添加物(全10種類)を不使用添加物に指定し、法的に使用は認められているものの、コープ東北では使用を認めていません。
     また、不純物や代謝物に安全上の問題があるものや、純度など成分規格に不十分な点が見られるもの、国が評価していない新しいリスク要因が懸念されるもの(全42種類)を使用制限添加物に指定し、これらの添加物が使用された商品は、極力取り扱わないようにしています。

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組合員のニーズ

 組合員に行ったアンケート調査では、生協に対して組合員の多くが、安全・安心で品質は高いが価格も高いというイメージを抱いています。この結果や売上高の動向から、これから生協に求められる商品は以下の5つが条件と考えております。

  • 美味しさ(楽しさ)

     食品に求められる一番の条件は「美味しさ」です。但し、美味しさにも基準が必要で、なぜその商品が美味しいのか、何をもって美味しいとするのか、テキストで商品の特徴が伝えられることも必要です。さらに、見た目も重要で、見ただけで品質の良さや美味しさが伝わるような、そういった点も商品化の鍵となります。

  • 安さ(値頃)

     組合員が求めているのは、非日常的なご馳走ものの美味しさではなく、日常的に食べ続けられる美味しさです。単に安いか高いかで判断するのではなく、このような観点で商品の価値と価格が見合っているかを点検すると共に、同じ食材でも主菜なら安く感じるが副菜には高いと感じる商品もあるので、用途・利用シーンに応じて納得できる価格かを考えております。

  • 適量(使い勝手)

     容量が多くて安い商品は確かに売れますが、生協はこれを狙いとしておらず、1食当たりはどのぐらいの量目が適正か、何人分を想定した量目なのか、何回で使い切れるかなど、使い勝手を常に考慮して商品に反映させております。さらに包材も、開封方法が分かりやすいか、自宅に持ち帰るまでに崩れにくいか、冷蔵庫に収まりやすいかなどの点にも目を向けております。

  • 簡単(時短)

     最近では簡便調理商品のニーズが高くなっております。特に、夏場は調理になるべく火を使いたくないため、そのまま食べられる惣菜やレンジアップなどの商品が好調で、実際に生協店舗でも惣菜部門の売上高が伸び続けており、簡単調理な商品は商品の購入基準として欠かせないものになっております。

  • その他

     水産部門では、骨なしや骨ごと(丸ごと)食べられる魚といった、ストレスを感じずに食べられる商品が求められております。当初は若い人達に魚食を広めるためにこのような商品を開発して販売したところ、思いの外、高齢者からの需要が高いことがわかりました。
     さらに、栄養素も重要で、例えば、減塩、高タンパク、カルシウムなどの健康効果が望める商品もニーズが高まっています。但し、薬事法で伝えられる表現には限りがあります。

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まとめ

 生協に限らず、食品を扱う上で最も重要視されるのは安全性です。安全性が担保された上で、美味しさ、使い勝手、適正価格などの条件が加わってくるものです。これらは水産加工メーカーの皆様が販路開拓を考えるうえで重要なポイントと考えております。
 消費者である組合員の暮らしを豊かで楽しいものにすべく、生協でも日々努力しておりますが、水産加工メーカーの皆様におかれましても、このような実現に向けた商品の提案、ならびに支援のご協力をぜひ----ともお待ちしております。