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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第130回千葉県有限会社ぼうか水産

清栄丸の誇りを糧に、自社ブランドの開発に取り組む

震災後の苦境を支えてくれた取引先とは、ビジネスパートナーとして良好な関係を築いています。双方で新商品の提案を行い、よりよい商品づくりのための改善点やアイディア交換なども欠かさないそう。

「『冷風乾燥できる干し物の商品ができないかやってみようか』と話したり、アイディアを出しあっています」

原料調達においても、取引先の担当者が仕入れてきた原料を土屋さんが、商品にできる品質かどうかを検品しています。この地で長年水産加工業に携わり、豊富な経験と知識をもつ土屋さん。若い担当者から「魚のことを教えてほしい」と頼まれることも多いそう。

「取引先には、せがれのような歳の相手が増えたけど、自分が知っていることは全部教えるよって話しています。自分がこの仕事に就いたころも、地元の銚子、九十九里には、いろいろなことを教えてくれる先輩たちがいたから。自分にもできることがあるなら、と思って。それに、会社をせがれに引き継いだあとも仕事がやりやすいように、取引先とは良好な関係性を築いていかなくては、と思っています」

若手とも、立場や世代を超えてパートナーとしてよりよい商品作りを行う土屋さんですが、やはり再び目指しているのは自社ブランド製品、自分たちで作った商品を自分たちで売ることです。

機器導入時に目標としていた自社ブランド品の開発は、2020年新型コロナウイルス感染拡大の状況もあり、まだ本格的に着手できていません。しかし、その間も商品の構想を練り、夏期の小アジを使った製品や、サワラの切身を使った西京漬けなどの試作品作りに挑戦しています。

2019年9月、台風15号が千葉県に上陸、記録的な暴風による被害をもたらした際は、本社工場に隣接する母屋を中心に大きな被害を受けました。屋根、窓ガラス、畳など、すべてダメになり大規模な修繕が必要に。震災後の苦境を乗り越え、ようやく事業が再び軌道に乗ってきた頃に再び降りかかった試練でした。

それでも、ぼうか水産の歩みを止めるわけにはいきません。

父親の章さんが乗っていた船の名は「清栄丸」といいます。土屋さんが見せてくれたのは、「清栄丸」「優勝」と大きく書かれた旗。銚子港でその年の水揚げ高が第一位の船に送られる優勝旗です。年間水揚量全国第一位を誇る銚子港における年間一位の証。この旗が、意味するものの大きさは容易に想像できます。その網元にルーツをもつ土屋さんの誇りこそが、一度は廃業も頭をよぎった震災後からこれまでを支えてきたのだ、と感じました。

「うちがつくる『イワシの丸干し』を、今も待ってくれている人がいるから。また必ず自社の商品を作らないと」と話す土屋さん。ぼうか水産の新ブランドを届けることができる日も近いでしょう。

土屋さんの父、章さんが機関士を務めた清栄丸が平成22年度銚子港の水揚げ第一位となった際の優勝旗
▲ 土屋さんの父、章さんが機関士を務めた清栄丸が
平成22年度銚子港の水揚げ第一位となった際の優勝旗

有限会社ぼうか水産〒289-2522 千葉県旭市足川3980
自社製品:イワシ、サバのドレス、サバフィレ等

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