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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第132回千葉県株式会社いとう商店

栄養豊富な骨を取るっておかしくないか?
「骨まで おいしい!焼き魚」シリーズで販路開拓を

かねてから、アジやサバなどの焼き魚の骨を、小骨まで取ったいわゆる「骨とり商品」の需要が高まっていることに着目していた伊藤さん。逆転の発想で、骨を取らなくてもそのまま食べられるようにできないかと考えていました。

「カルシウムなど栄養のある骨を捨ててしまうのってもったいない。それに、ただでさえ開いた魚の姿しか知らない子どもが増えているなかで、骨も無いのが魚なんだって日本の子どもたちに根付かせてしまっていいの?という疑問もありましたね。骨まで軟らかく圧力調理して、魚まるごとの栄養をあますところなく食べられる商品ができたら、子どもやお年寄り、健康に気を使っている消費者に喜んでもらえるのではないかと思ったんです」

既存の販路を失った震災直後、伊藤さんは商品開発に着手します。圧力釜の温度と時間設定による熱の加え方のパターンを少しずつ変えながら、何度も何度も試しては記録を繰り返し、やっと完成したのが「骨まで おいしい! 焼魚」シリーズです。

レンジであたためるだけで食べることができるため、家庭向けにも好評で、販売開始から順調に売上を伸ばしています。

「道の駅で、実際にこの商品を買ってくださったお客様から、『魚嫌いだった子どもが、これなら食べられると喜んで食べてくれるようになった』という声が聞けて、手ごたえを感じました」

現在は「季楽里あさひ」(旭市)、「水の郷さわら」(香取市)など千葉県内の道の駅や、銚子港内の「銚子セレクト市場」などの小売店ほか、自社サイトからの直接注文を中心に販売しています。

この商品の製造にも、導入した機器が生かされており、熱水スプレー式レトルト殺菌器を使うことで製造効率、品質がアップしたそう。

「開発に着手してから10年ほど経ちますが、まだ試行錯誤を続けています。近年、海の環境が変わってきていて、昔ならイワシはこの時期、アジならこの時期が一番いいという旬が決まっていたのですが、もっと脂がのっていてもいい季節なのに脂のりが少なかったりと、それも変わりつつあります。そうしたこともあって、それぞれの魚に合わせて、いちばんおいしい圧力と熱のかけ方のポイントをずっと研究しています」

また最近は、老人介護施設へのPRが功を奏し、現在東京都内の老人介護施設からの引き合いがきているそうで、新たな事業へ広がりを見せています。

「今後は、たとえば『骨まで おいしい!焼き魚シリーズ』でも、レンジであたためるだけのタイプ、冷凍までを当社で行い、焼くのは各施設で行えるタイプなど、取引先のニーズに合った形態での販売ができるようにしたいと考えています」

▲ 自社ブランド「骨までおいしい! 焼き魚」シリーズ。

創業から130余年。4代目が見据えているのは、将来、次世代へ引き継いだ先の10年です。

「この会社がちゃんと儲かって、引き継ぐときに向こう10年くらいは安定してこれでやっていけるという状態にする。それが目標ですね」

「魚本来の姿を子どもたちに」という思いで開発した商品の販路開拓にもチャレンジしている「いとう商店」。明治の時代から受け継いできた、漁師町加工屋の商売スピリッツを見た思いがしました

株式会社いとう商店〒289-2521 千葉県旭市ハの2801番地
自社製品:つみれ原料となるレトルトイワシ、イワシミンチ、イワシフィレ、サバ落し身、鮭フレーク、レトルト焼き魚
webサイトはこちら

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