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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第147回岩手県有限会社木村商店

昔ながらの手仕事で、
「おふくろの味」を進化させ続ける

「いか徳利の木村商店」

工場入口の看板にも大きく書いてあるように、真いかの胴を徳利の形にして天日で乾燥させた「いか徳利」は有限会社木村商店の伝統の一品で、今では地元である山田町の名物となっています。

▲ 天気の良い日はいか徳利を天日干し。
お天道さまのお陰で、いか徳利はもっと美味しくなるそう

木村商店の創業者は、現社長である木村トシさんの祖父にあたる木村安太郎さん。木村家はもともと大工の家系でしたが、漁師であった安太郎さんの婿入りをきっかけに水産加工を行うようになりました。具体的な創業年は分からないものの、明治41年の記録にはすでに「木村商店」という名前が掲載されているのだそうです。

▲ 有限会社木村商店 代表取締役 木村トシさん

「私も小さい頃から家業を手伝っていました。でも私、水産加工はいやでね。学校を卒業してから郵便局に勤めたんです。当時は東京オリンピックなんかで好景気だったので、皆東京に出稼ぎにいって、電信為替の送金がたくさん来て忙しくて。そろばんの時代だし、お札も指で数えるから、指の神経をやられちゃってね。体が思うようにいかなくなったので、19年勤めた郵便局をやめて、家業を継ぎました」(有限会社木村商店 代表取締役 木村トシさん。以下「」内同)

周囲には「マグロやカツオなどの回遊魚のよう」と言われるほどパワフルなトシさん。家業を継いでからも次々にアイディアが湧き、新しい商品をどんどん開発していきます。「県に誘われたから」と気軽に参加したコンクールでも初めての応募で入賞を果たし、それから現在にいたるまで、水産庁長官賞など数多くの賞を受賞しています。

「前浜であがった魚を加工するのがモットーなので、地元であがる魚が変わる度に色々な商品を作っていったら、品数が増えちゃって。父親から“隣が良くならないと、自分のところも良くならない。隣近所を大事にしろ”って教わっているので、魚はもちろん、お寿司に使うお米も岩手県の遠野産、調味料も岩手県産を使ってるんです。従業員さんには、仕事が増えるばっかりだから、少しは品数を絞ってほしいと言われているんですけどね」

▲ 人気急上昇中の磯どんぶりの素(左)と現在の主力商品である岩手県知事賞受賞の「三陸浜寿司」(右)
いずれも三陸産の素材にこだわり、丁寧に作られている

もう1つ、木村商店に代々受け継がれているこだわりが「化学調味料を使わないこと」。トシさんご自身も若い頃に大病を患い、その際に無添加や無農薬などの良さを体感したことから、無添加へのこだわりは人一倍強いのだそうです。木村商店の朝は、今でもさば節、日高昆布、干するめなどの天然だしをコトコト煮込むことから始まっています。

「祖父や母の代から、余った鮭の骨や小魚を小袋に入れてだしを取るのが当たり前でした。おふくろの味と言うんでしょうか、昔のやり方をそのままやっています。コンクールだからといって特別に何かすることなく、いつも通りの商品づくりをしたら賞をいただいて。美味しいのが当たり前の生活をしていて良かったなと思います」

▲ 毎朝丁寧に取られる出汁
木村商店の商品の美味しさの基となる
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