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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第166回宮城県水月堂物産株式会社

伝統を守りながら変わり続けることを厭わない

ところで、水月堂物産はなぜ、震災後の数年間、赤字でもほや酔明を作り続けたのでしょうか。阿部さんはこう言います。

「ほや酔明を新幹線から降ろしたくなかったんです。もし赤字だからといって諦めてしまったら、他社製品がほや酔明の代わりに入ってくる。赤字と分かりながら作り続けるのはつらかったですけど、宮城県の水揚げが再開するまで何とかしのぎました」

ほや酔明と阿部さんはほぼ同い年。ほや酔明とともに成長してきた阿部さんだからこそ、ほや酔明への思い入れは人一倍です。

ただ、阿部さん自身は、もともと家業を継ぐつもりはなかったそうです。大学卒業後はコンサルタント会社に就職。そこで企業経営について学ぼうとしていましたが、より企業経営を学べる場所を求めていた時に思いついたのが、実家の家業でした。

「父に『やらせてください』とお願いして2009年に水月堂物産に入社しました。父からは一言、『売上は立てろよ』と言われました」

その約束を守るべく、阿部さんは全国を飛び回って新しい売り先を探し、新商品の開発も進めていきました。今では酔明シリーズも「かき酔明」「ほたて酔明」「しゃけ酔明」などに広がり、他ブランドではお茶漬け、ご飯の素なども展開しています。

ほや酔明を中心に多様なラインナップが揃っている
▲ ほや酔明を中心に多様なラインナップが揃っている

「最初は祖父が、家族が食べていくために始めた事業でした。それがこうやって生き延びてきたのは、祖父や父が時代ごとの変化に対応してきたからだと思います。私も変化することを厭わずにやっていくつもりです。多様な海産物のある石巻の魅力を発信して、地元に貢献できる会社を作っていきたいですね」

経営環境が激しく変化する中で、浮き沈みも多く経験してきた阿部さん。沈んでいる時こそ「今は新商品を考える時だ」と捉えて、ピンチをチャンスに変えてきました。特にこの数年はピンチの連続でしたが、その分、頭の中には新商品のアイデアも蓄積されています。ロングセラーのほや酔明を守りながら、新しい発想でラインナップを増やしていきます。

水月堂物産株式会社〒986-2103 宮城県石巻市流留字沖1-50
自社製品:「ほや酔明」などの乾燥珍味、
小女子のつくだ煮、炊き込みご飯の素、ほか
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