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セミナーレポート

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「水産物の放射能調査について理解を深めるために」

令和4年4月14日に第19回「シーフードショー大阪」にて「食品中の放射性物質の基準値が目指す目標と、目標の達成状況について」というテーマでセミナーが行われました。
放射線に関する基礎知識や最新の水産物のモニタリング結果等について説明を行っていただきました。

講師
水産庁 増殖推進部 研究指導課
水産研究調査班 企画係長
原田 雄輝 氏

①食品中の放射性物質の基準値が目指す目標と、目標の達成状況について

<食品からの被ばく量の計算にかかる定義について>

放射性物質の話をするときに必ず出てくるキーワードが、「ベクレル(Bq)」と「シーベルト(Sv)」という単位です。
「ベクレル(Bq)」は、放射能の単位で、数値が大きいほどたくさんの放射線が出ていることを意味します。キャッチボールで例えると、ボールを受けた回数になります。つまり、体内に取り込んだ(食べた)放射性物質の量ということです。
また、「シーベルト(Sv)」は、人が受ける被ばく線量の単位で、数値が大きいほど体に受ける影響が大きいことを意味します。同様に例えると、ボールをキャッチして体が受けた影響となります。体に受ける影響は、ボールの種類やスピード、つまり放射性物質の種類の影響も関係してきます。

例えばセシウム137の場合、77,000ベクレル摂取すると、1ミリシーベルトになります。放射性物質を、わずかでも摂取すると危ないのではないかという意見もありますが、そうではなくどれくらいの量を摂取したかというのが重要であることがわかります。

<食品の放射性物質規制が目指す目標>

日本の自然放射線からの年間被ばく量は2.1ミリシーベルトになります。日本よりも年間被ばく量が高い国もあります。
2012年に政府は、福島第一原発事故による食品(飲料水含む)からの被ばく量を「年間1ミリシーベルト以下に抑える目標」を立てました。
目標とした年間1ミリシーベルトは、「国際放射線防護委員会(ICRP)」が、世界各地の自然からの被ばく量の差を踏まえ、誰でも受け入れ可能な追加被ばく量の目安として示しているもので、安全と危険の境い目ではありません。

<年間被ばく量年間1ミリシーベルトという目標は達成されているのか>

「厚生労働省」、「福島県」及び「コープふくしま」において、食事に含まれる放射性セシウム等を調査しており、いずれの直近の調査でも食品からの被ばく量は、目標の1%(0.01ミリシーベルト)未満となっています。

  • ●厚生労働省の調査
    ・平成23年度から地元産・近隣県産の食材を簡単に調理して測定
    ・サンプルと同じものを1年間食べ続けた場合の最大年間被ばく量は0.0014ミリシーベルト
  • ●コープふくしまの調査
    ・平成23年度から福島県内100家庭で測定し、全て検出限界値(1ベクレル/kg)未満
    ※1ベクレル/kgの食材を毎日2kg食べた場合の年間被ばく量は0.009ミリシーベルト
  • ●福島県の調査
    ・平成24年度から県内で対象者を選定し、1日間の飲食物と同じものを測定
    ・サンプルと同じものを1年間食べ続けた場合の最大年間被ばく量は0.003ミリシーベルトで、ストロンチウム90を加えても0.0039ミリシーベルト

福島県の調査を詳しく見てみますと、放射性セシウム及びストロンチウム90の摂取量は、以下の図のとおり、放射性セシウムは年々低下、ストロンチウム90は、事故前と変化がないことが見てとれます。

②福島県海産魚介類の放射性物質濃度の推移について

<福島産魚介類の放射性セシウムの検査体制および放射性セシウム濃度の推移>

福島県産魚介類の放射性セシウムの検査は、県の公的検査に加え、漁協も自主的に検査を行われています。

福島県の公的検査は、国の基準値(100ベクレル/Kg)を超えた場合は、国から出荷制限を指示し、基準値を安定して下回るまで制限しています。

漁協の自主検査は、自主規制値(50ベクレル/kg)を超えた場合は、出荷を自粛し、自主規制値を安定して下回ることが確認できるまで出荷の自粛を継続しています。

漁協の自主検査で2021年までに国の基準値を上回ったのは6例で、それぞれ出荷の制限を行っております。

福島県魚介類における放射性セシウム濃度については、事故直後高い濃度でありましたが、時間の経過とともに低下し、2017年度以降は、全検査の99%で基準値の1割以下(10ベクレル/kg)となりました。

これまでの説明より、産地を気にせず魚介類を食べてもらっても問題ないことがご理解いただけたかと思います。福島にはおいしい魚介類がいっぱいあります。皆さん是非ご賞味ください!

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