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セミナーレポート

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「アフターコロナを見据えた商品開発」

令和4年7月15日、「アフターコロナを見据えた商品開発」と題した、オンラインセミナーが開催されました。

講師
株式会社日本ツナガル総合研究所
代表取締役 稲葉潤一 氏

<売れる商品開発に必要なフレーム>

◆フレームワークのポイント
商品の基本サイクルは「創る(開発)」→「作る(生産)」→「売る(販売)」です。
私の周囲からはよく「作った(生産)」商品をどのように「売る(販売)」のかといったご相談をいただくことがありますが、顧客が何を望んでいるかを考えて「創る(開発)」過程の方が重要です。

売れるものを「創る(開発)」には“0”からスタートするのではなく、マーケティングの基本となるフレームワークに沿った考え方で進めていきます。

STP=“誰”向けに“どんな”商品を売るか。先ずはお客様サイドから考え、そのうえで製品、価格、チャネル、販促へと繋げる。
SWOTを理解し、自社の強みを理解することが必要。

◆自社の強みを整理

1、商品(ビジネス)の流れの確認
どのような流れで自社のビジネスが成立しているのかをすべて書き出してみましょう。

  • ・生産者
    どういうところから仕入れているのか、仕入れ先のこだわりは何か、仕入れ先がどのような工夫をしているか、
  • ・一次加工
    生産者側が製造現場まで持ってくる間にどういう加工をしているか
  • ・製 造
    製造現場での設備、対応能力はどういったものか、
  • ・販 路
    どういう販路を持っているか、顧客に届けるまでにどういった方法論(対応できる、対応しようとしている)があるか。

2、自社の特徴理解:顧客を理解して、他商品(他社)にないものは?
今のビジネスが自社だけのものなのか、他社でも行っているものなのかを理解しましょう。

小売バイヤーは大きく分けて6つのポイントで商品の採用を判断しています。

  • ①どんな原料にこだわっているのか、どういう作り方をされているか
  • ②どういう下処理をされているか
  • ③自社工場での加工・製造技術のこだわりはどこか
  • ④地域の食文化や郷土料理(味付け等)といった要素はあるか
  • ⑤健康につながる要素はあるか(主にタンパク質、食物繊維が注目されている)
  • ⑥生産者自身の歴史とこだわり

以上のポイントを踏まえて、他社との比較や自社の強みを持っておくことで、バイヤーへのアピールポイントに繋がるものと考えます。

復興水産販路回復アドバイザーを務める鳥巣研二氏(キースタッフ創業者)の著書「よくわかる加工特産品のつくり方、売り方」(2010年発刊)にも、地域商品を売り出す時の必要な要素が書かれていますが、私も何度も読み返しているので、機会があればぜひご一読ください。

<アフターコロナおよび今後見据えたキーワード>

コロナ禍の影響によって、自分と家族の健康に気を使い、周囲に影響を与えず、また周囲からも影響を受けないようにとする傾向が強まりました。これによって“健康”や“免疫力アップ”といった訴求のある商品が売れるようになりました。
そして、人との付き合い(交際費)が減少した一方で、自宅から距離が近くて生鮮品を扱っているスーパーマーケットか、またはネットショッピングで食品を購入する方が増えました。
40~50代は今まで店頭で商品を見たあとにネットで購入する傾向にありましたが、外出自粛等で店頭に行く機会がなくなったことで、多くの情報(=評判・口コミ)を見て、“お気に入りのものをできるだけ安いところで購入する”か“自分に合った(自分が求める)商品を購入する”といった傾向へと変化するようになりました。
これはスマホ需要が大きく伸びたことで、手軽に情報(=評判・口コミ)が得られて、手軽に購入できるようになったことが大きな要因です。この変化により、リアル口コミをどこに流すかが重要なポイントとなっているようです。

このようにマーケットの変化を見ながら、どういう商品をECサイトで売ればよいのかをイメージすることが非常に重要です。

さらに、グローバル視点から見た世界と日本の「購買意識の変化」で大きな違いが見られたのは「製品製造の背景(=どういった環境で育ち、製造されたのか)」でした。
主に「地域でつくられた製品・サービス」と「サステナビリティに配慮した製品・サービス」といった点が重要視されるなど、「周りに迷惑をかけてはいけない」「地域・環境を救わないといけない」といった日本人らしい考え方が表れているように感じます。
また、日本国内は人口減少が続いていますが、世界に目を向けるとアジア圏の人口増加が加速していきます。なかでもインドは中国を超える16億人と、日本の16倍以上に当たります。急激な人口増加が続くと食料問題が起き、さらにタンパク質不足が顕在化しています。
このような背景を元に、これからは①その地域内に売るもの、②その地域外に売るもの、③世界に売るものの3パターンに切り替えて、国内であれば「製品製造の背景」の要素を加えながら、どのようにメッセージを発信すべきかが見えてくると考えられます。

<必要不可欠な安心/安全>

安心・安全の定義とは、事故が起きないことが絶対条件です。HACCPを取得している製造会社であっても、キャパシティを超えると事故が起きてしまうことがあります。
どれだけ売れる商品であっても、必ず発注上限を設けることを意識してください。バイヤー側はお客さまに安心して購入していただくことが大前提であることから、理解を示してくれるはずです。

それから、先ほど自社の強みでも触れたとおり、「どんな原料にこだわっているのか、どういう作り方をされているか」を追える状況(見える化)にすることが重要です。

以上が取引する際の必須条件になると考えてください。

参 考:
国内向けであれば地域名を、海外向けであれば日本名をいれる等、どこに何を売るかを棲み分けしましょう。ただし、首都圏では、地域名を特定することで安定供給が追い付かないケースを踏まえて、特定しない方が良いケースも一部で見られています。

<まとめ>

◆ビジネスモデルとアウトプット
バイヤーにとってもゴール(=ヒット商品)がすべて分かっている訳ではありません。
このことから、「創って→作って→売る」のサイクルをいかに素早く回し、リスクを減らして実行できるかが重要になります。
最初はスケールを小さくして、その結果なぜ売れたのか、なぜ売れないのかの検証を行い、ターゲットユーザーを明確にしながら、少しずつスケールアップさせていきます。
重要なのは設備投資する前にチャレンジしてみて検証することだと考えています。
その他に、やりたいことや悩みを相談できるパートナーが周囲にいるかどうかも大変重要なことです。現在のコネクションを大切にして、たくさん会話してください。情報のネットワークがすごく広がります。
また、イメージを膨らませることはとても重要です。マーケットの状況、変化に対しての情報、安心安全、SDGs、食糧問題等それぞれのキーワードから考えられてるイメージから自社の強みがどれに当たるのかを確認し、強みを生かしていく必要があります。

◆まとめ

  • ・マーケットの状況、変化に対しての情報
  • ・自社NB開発(キーワードからのイメージ)
  • ・前提は安心安全(HACCP、トレーサビリティ)
  • ・リテール(流通)のOEM(学びが多い)
  • ・ビジネス顧客、消費者ともに情報入手はネット上
  • ・しっかりお伝えできているか?の再確認
  • ・メードインJAPANで世界を視野に

以上の内容について、再度確認して自社の強みを活かし、製造・販売を行ってもらいたいです。

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