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企業レポート 被災地で頑張る加工屋さんをご紹介します

第149回宮城県株式会社布施商店

産地、消費者、水産資源。
全てがハッピーになれるビジネスを創ることで地元に貢献したい

コロナ禍の影響により、リモートで行った取材。「今日はよろしくお願いします!」。画面に登場したのは若々しく溌溂とした印象の布施商店4代目社長、布施太一さん。今年38歳になる太一さんが社長に就任したのは、今年の1月。フレッシュなのもうなずけます。

▲ 株式会社 布施商店 代表取締役社長
布施太一さん

「僕はもともと東京で働いていて、戻ってくるつもりは全くなかったんです。でも、震災がきっかけで地元のために何か貢献したいと考えるようになりました。色々と考えましたが、結局、家業を継ぐのが自分の使命なのかと思い至って3年前に地元に帰ってきたんです」(株式会社 布施商店 代表取締役社長 布施太一さん。以下「」内同)

布施商店は大正時代に創業し、100年以上も続いている老舗。もともとは石巻の前浜で水揚げされる魚を練り製品に加工する事業を営んでいました。その後、大手スーパーとの取引が中心となり、取引先の意向を組む形で丸魚や鮮魚のフィレを卸す業態に変化させていきました。中でも布施商店がこだわりを持っているのがタラです。

「タラは雑食で目の前に来たものを何でも食べてしまう貪欲さから大口魚とも呼ばれます。なぜそんなに食べられるのかというと、すごく消化酵素が強いんです。そのため、水揚げされてからしばらくすると、自分の消化酵素で自分の内臓を溶かしてしまい極端に品質が落ちます。だからウチでは仕入れてから36時間以内に内臓を全て取り出します。もともと漁に出たその日に帰ってきた船で水揚げされた“日戻り”のタラしか仕入れないこともあって、鮮度は抜群です」

その後の処理も、全て手さばきすることにこだわっています。それは機械でさばくと魚を大量の水にあてることになり、その過程で傷んでしまうから。そのように丁寧に加工され、ほんのり桜色で透明感あるタラを布施商店では「さくら真鱈」と呼び、取引先にも好評を博しています。

▲ 手さばきで処理することで魚の品質が保たれる
▲ ほんのりピンクが美しい「さくら真鱈」

歴史とこだわりの商品を持つ布施商店ですが、実は太一さん、お父様であり先代社長(現会長)である三郎さんから「家業を継ぐように」と求められたことは一度も無かったのだそう。そのため太一さんは「海外で働きたい」という夢を叶えるため、東京の大手商社に就職。念願の海外赴任も視野に入り始めた頃に起こったのが震災でした。

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